【二字熟語】
惻隠
【読み方】
そくいん
【意味】
かわいそうに思うこと。同情すること。
【語源・由来】
孟子(公孫丑上)「惻隠の心無きは、人に非ざる也」より。
人の不幸を見過ごすことのできない「忍びざるの心」。人間には生まれながらにして四徳(仁義礼智)の芽生え・端緒が備わっているとする孟子の考え方(四端説)のなかで、仁の発端となる心。
「惻」は「あわれみの気持ちが心に迫る。かわいそうに思う。」
「隠」は「同情をよせる。」
【類義語】
哀憐、慈、不憫
惻隠(そくいん)の使い方
健太くん。見てよ。かわいそうね。
うーん。何の感情もわかないよ。そろそろ相撲が始まるころだからチャンネルを変えてよ。
難民の姿を見て、惻隠の情を起こさないなんて人間じゃないわ。
苦労している人の姿を見て惻隠の情を起こし、彼らを救うならまだしも、テレビ越しに涙して、明日には忘れているような非情な人よりはましだよ。
惻隠(そくいん)の例文
- 優しいともこちゃんは、困難に陥っている人に出会うと惻隠の情を抱き深く傷つく。
- へこんでいる健太くんの姿を見て、ともこちゃんは惻隠の心を起こした。
- 戦地で苦しむ無辜の民を見て、惻隠の情を抱かない人がいるのだろうか。
- 家族を亡くして寂しそうな健太くんに惻隠の心が起こる。
- 惻隠の情を起こした先輩が、泣いている僕に寄り添ってくれた。
「惻隠の情」とは?
「惻隠」を用いた表現の一つに「惻隠の情」があります。
「惻隠の情」とは、「人をいたわしく思う心。あわれみの気持。惻隠の心。」という意味です。
【例文】
- 新渡戸稲造は、「武士道」で惻隠の情の大切さを説いた。
- 刑事が容疑者に惻隠の情を抱いてはいけない。
- 子供をかばう親の心に惻隠の情を抱く。