読み方で悩みやすい漢字の一つに、「蝦夷」があります。
Q「蝦夷」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「えぞ」
- 「えみし」
- 「えぞ」と「えみし」両方とも
このページでは、悩みやすい「蝦夷」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「蝦夷」の読み方は、「えぞ」?「えみし」?
蝦夷の正しい読み方は、「えぞ」「えみし」どちらなのでしょうか。
「えぞ」も「えみし」も聞き覚えがありそうですね。
「蝦」の音読みは「カ」「ガ」、訓読みは「えび」「がま」となります。
一方「夷」の音読みは「イ」、訓読みは「えみし」「えびす」「ころ(す)」「たい(らか・らげる)」となります。
このことから「えみし」はありそうですが「えぞ」はどうなのでしょう。
結論を言ってしまうと、蝦夷の読み方は「えぞ」「えみし」どちらも間違いではありません。
つまり、答えとしては3つ目の「両方とも」ということになります。
ただし、「えぞ」と「えみし」それぞれで読む場合に、意味が若干異なります。
さて、何故蝦夷を「えぞ」「えみし」と読むのでしょうか?
実はこれ、熟字を訓読みにする熟字訓と呼ばれるものです。
訓読みが漢字を日本語として意味が通じるように読ませるように、熟字訓とは熟語に対して日本語の意味が通じる読み方で読ませたものです。
簡単にいってしまえば、一つの熟語に対して訓読みをしているということですね。
他にも今日(きょう)明日(あした)昨日(きのう)等様々な熟字訓があります。
※「夷」のみでも「えみし」と読みますが、これも熟字訓となるようですね。
「蝦夷」の意味は、「えぞ」と「えみし」で違う!
蝦夷の意味としては「えぞ」と「えみし」でそれぞれ意味が若干異なります。
まず「えぞ」ですが、「古代の奥羽から北海道に住んでいた人々」「北海道の古称」の意味となります。
一方「えみし」の場合には、「えぞ」の前者「古代の奥羽から北海道に住んでいた人々の古称」となります。
少々分かりにくいですが、「えみし」は「えぞ」の一つの意味の古称なんですね。
蝦夷を使った例文として「蝦夷鹿(えぞしか)」「朝廷により蝦夷征討(えみしせいとう)が行われた」などがあります。
まとめ
- 蝦夷の読み方は「えぞ」「えみし」どちらも正しい。
- 「えぞ」「えみし」それぞれで意味が若干異なる。
- 「えぞ」は「古代の奥羽から北海道に住んでいた人々」「北海道の古称」の意である。
- 「えみし」は「えぞ」の前者「古代の奥羽から北海道に住んでいた人々の古称」の意である。