読み方で悩みやすい漢字の一つに、「東風」があります。
Q「東風」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「こち」
- 「とうふう」
- 「こち」と「とうふう」両方とも
このページでは、悩みやすい「東風」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「東風」の読み方は、「こち」?「とうふう」?
東風の正しい読み方は、「こち」「とうふう」どちらなのでしょうか。
漢字から察すると「とうふう」はありそうですが、「こち」にも聞き覚えはありそうですね。
「東」の音読みは「トウ」、訓読みは「ひがし」表外読みとして「あずま」となります。
一方「風」の音読みは「フウ」「フ」、訓読みは「かざ」「かぜ」表外読みとして「すがた」「ならわし」「ふり」となります。
このことから「とうふう」は正しそうですが、「こち」はどうなのでしょう。
結論を言ってしまうと、東風の読み方は「こち」「とうふう」のどちらを使っても間違いではありません。
つまり、答えとしては3つ目の「両方とも」ということになります。
※東風は、これ以外にも「あいのかぜ」「あゆ・あゆのかぜ」「こちかぜ」「ひがしかぜ」等とも読むことができます。
さて「とうふう」は理解できるものの、何故東風を「こち」と読むのでしょうか?
実はこれ、熟字を訓読みにする熟字訓と呼ばれるものです。
訓読みが漢字を日本語として意味が通じるように読ませるように、熟字訓とは熟語に対して日本語の意味が通じる読み方で読ませたものです。
簡単にいってしまえば、一つの熟語に対して訓読みをしているということですね。
他にも今日(きょう)明日(あした)昨日(きのう)等様々な熟字訓があります。
今回の東風は「とうふう」とも読みますが、これの持つ意味が日本語の「こち」とほとんど変わらないために、そう読まれるようになりました。
「東風」の意味は、「こち」も「とうふう」も同じ
東風の意味としては、「東から吹く風」「春風」となります。
因みに前述したこれら以外の読みかたも意味は同じです。
東風を用いた例文としては「爽やかな東風」「何を言っても馬耳東風だ」等があります。
まとめ
- 東風の読み方は「こち」「とうふう」のどちらも正しい。
- これら以外にも「あいのかぜ」「あゆ・あゆのかぜ」等の読み方がある。
- 東風は「東から吹く風」「春風」の意である。