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「匹夫」の意味と使い方や例文!「匹夫の勇」とは?(類義語・対義語)

【二字熟語】
匹夫

【読み方】
ひっぷ

【意味】
身分のいやしい男。また、道理をわきまえない男。

【語源・由来】
「匹」は「一人の男や女。また、身分の低い者。」
「夫」は「成人した男。」

【類義語】
小人

【対義語】
匹婦

匹夫(ひっぷ)の使い方

ともこ
健太くん。一人で乗り込むなんて匹夫の勇よ。
健太
誰も行かないなら、僕一人でも悪と戦ってくるよ。
ともこ
桃太郎ですら、キジと猿と犬のお供を連れて行ったのよ。一人じゃ無理よ。
健太
じゃあ、急いでお供を探すよ。

匹夫(ひっぷ)の例文

  1. 彼のような匹夫下郎に娘をやるわけにはいかない。
  2. 歴史及び伝説中の偉大なる人物に対する敬虔の心を転じて之を匹夫匹婦が陋巷の生活に傾注することを好んだ。(永井荷風、申訳)
  3. 匹夫も志を奪うべからずというから、人を安易に侮らない方が良い。
  4. どんな匹夫でも、この国の民は命の大切さを知っています。
  5. 匹夫のくせに口が過ぎるぞ。(室生犀星、お小姓児太郎)

「匹夫の勇」とは?

匹夫」を用いた表現の一つに「匹夫の勇(ひっぷのゆう)」があります。

匹夫の勇」とは、思慮分別なく、血気にはやるだけのつまらない勇気のことをいいます。

出典は、「孟子」梁恵王下の「此れ匹夫の勇にして、一人に敵する者也」からです。

【例文】

  1. 泳げないのにおぼれている犬を助けに行くとは、まさに匹夫の勇じゃないか。
  2. 大隈重信にテロを仕掛け自殺するとは、匹夫の勇だ。
  3. またそのつぎの「己れにかちて」などは勇の最も洗練されたるものである。勇気もこの階段に達すればもはや猛勇でなく、匹夫の勇でもない。孟子のいわゆる大勇なるもので、西洋の学者のいうモーラル・カレッジである。(新渡戸稲造、自警録)