読み方で悩みやすい漢字の一つに、「黒子」があります。
Q「黒子」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「ほくろ」
- 「くろご」
- 「ほくろ」と「くろご」両方とも
このページでは、悩みやすい「黒子」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「黒子」の読み方は、「ほくろ」?「くろご」?
黒子の正しい読み方は、「ほくろ」「くろご」どちらなのでしょうか。どちらも聞いたことがあるかもしれませんね。
「黒」の音読みには「コク」、訓読みには「くろ」「くろ(い)」があります。また、「子」の音読みには「シ」「ス」、訓読みには「こ」「み」「おとこ」「ね」があります。「黒」「子」には「ほく」や「ろ」の読み方はありません。
しかし、黒子の読み方は「ほくろ」「くろご」のどちらを使っても間違いではありません。つまり、どちらも正しい読み方ということになります。
正解は、③の「ほくろ」と「くろご」の両方です。
広辞苑には「ほくろ」「くろご」の両方の項目があります。「くろご」の項目には「『くろこ』とも」とあり、「黒衣」「黒子」の表記が記されています。
他にも古く用いられていた「こくし」「ははくそ」「ははくろ」 「ほくそ」の読み方が記されており、「ほくろ」の読み方は「ははくそ」「ははくろ」からと考えられています。
黒子を「ほくろ」と読む場合と「くろご」と読み場合では、意味が違ってきます。
「黒子」の意味は、「ほくろ」と「くろご」で違う!
「黒」には「くろ」「くろい」の意味があります。一方、「子」には「こども」「たね」「ひと」「おとこ」「成人した男子」「小さいもの」などの意味があります。
黒子(ほくろ)の意味は「皮膚の表面にある黒または暗褐色の小さな斑点」です。
一方、黒子(くろご)の意味は「歌舞伎で役者の後見をする人。また、その黒い衣装」です。現代では「くろこ」と読むことがありますが、歌舞伎や人形浄瑠璃で観客には見えないという約束事のもとに黒い衣装と頭巾姿で舞台上に登場する人は、本来「黒衣」と書いて「くろご」を読みます。
黒子を用いた例文には「黒子ができた」「表に出ないで黒子に徹する」があります。
まとめ
- 黒子の読み方は、「ほくろ」「くろご」のどちらも正しい。
- 黒子(ほくろ)は「皮膚の表面にある黒または暗褐色の小さな斑点」を意味する。
- 黒子(くろご)は「歌舞伎で役者の後見をする人。また、その黒い衣装」を意味する。