一向の読み方・意味とは?(類義語)
【二字熟語】
一向
【読み方】
いっこう
【意味】
1⃣名詞
①ひたすらなこと。純粋なこと。いちず。
②全くひどいこと。お話にならないこと。
③一向宗の略。
2⃣副詞
①心を他に向けず、ひたすらに。ひたむきに。
②すべて。もっぱら。
③(多く下に打消しの語を伴う)少しも。全然。全く。完全に。
④いっそのこと。むしろ。
3⃣形容動詞
《近世江戸語》話にならないほどひどいさま。全くひどいさま。
江戸時代の言葉やったけど、こういうの知ると、言葉の奥深さが分かって面白いわ。一つの言葉にこんなにも意味があるなんて、まさに「一向」に奥が深いってことやな。
【語源・由来】
「いっこう(一向)」の促音の無表記。
【類義語】
(「一向」にの類義語)全く、全然、さっぱり、まるきり、まるで、少しも
一向(いっこう)の解説
「一向」という言葉は、いくつかの意味があるんだよ。
1つ目は、宗教に関するもので、「一向宗」という宗派のことを指すんだ。この宗派は、日本の仏教の一部なんだ。
2つ目は、副詞としての使い方で、「全然」や「まったく」の意味で使われることがあるよ。例えば、「何を言われても一向に動じない」というのは、「何を言われても全く動じない」という意味になるんだ。
また、打消しの言葉と一緒に使って、「ちっとも」や「少しも」という意味になることもある。例えば、「一向に存じません」は「全く知りません」という意味になるんだ。
「ひたすら」や「いちずに」という意味も持っていて、一つのことに集中するさまや、真剣に取り組む様子を表すことができるんだ。
さらに、「いっそのこと」や「むしろ」という意味もあるんだよ。
3つ目は、形容動詞としての使い方で、昔の江戸時代の言葉で、とてもひどい状態や悪い状態を表すときに使われていたよ。例えば、「今日は一向なものさ。この腹ぢゃあ飲めやせん」というのは、今日はとても調子が悪くて、この状態では飲むことができない、という意味になるんだ。
だから、この「一向」という言葉は、使われる文脈や状況によって意味が変わるから、その文の中の他の言葉や文脈をよく確認して、正しい意味を理解することが大切だよ。
一向(いっこう)の使い方
一向(いっこう)の例文
- 農民の不満が高まり、一向一揆が起こった。
- 悟りの境地にいたるために、一向専修しました。
- あんな奴らに陰口をたたかれても一向に平気だ。
- 健太くんは警告されても一向に動じなかった。
- ともこちゃんから一向に返事が来ないのはなぜだろう。
一向の文学作品などの用例
「一向」と「一行」の違いを解説
「一向」と同じ読み方の語に「一行」があります。
「一行」は、
①一緒に行く人々。同じ行動をする人々。
②ひとつらなり。1列。
③一つの行い。
④書面一通。特に許可・借用などの証拠となる文書一通。いちぎょう。
という意味です。
「一向」は、ひたすら、全くひどい、もっぱらという意味なので、同じ読み方ですが「一行」とは意味が違います。
一方、「一行」とは、一緒に行動する人々や、1列のこと、または、一つの行いや書面一通のことを指すんだよ。
対して、「一行」は一緒の仲間や、きっちりと並んだもの、あるいは手紙や証拠書類みたいなものを言うんやな。おお、勉強になったわ!
また、副詞としては「全然」とか「まったく」といった意味や、「ちっとも」、「ひたすら」、さらには「いっそのこと」というような意味で使われることがあるんだ。