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「角逐」の意味と使い方や例文!「競争」との違いは?(語源由来・類義語)

角逐の読み方・意味とは?(語源由来・類義語)

意味

【二字熟語】
角逐

【読み方】
かくちく

【意味】
互いに争うこと。せりあい。

二字熟語の博士
「角逐」という言葉は、互いに競い合ったり、張り合ったりすることを表すんだよ。

熾烈な戦いや競争の様子を指して使われることが多いんだ。

助手ねこ
ああ、わかるわ。それは、二人以上が力を出し合って、どっちが上かを決めるような争いのことやな。

サッカーの試合とか、選挙とかで、みんなが一生懸命戦ってる状況やろ。この言葉、真剣勝負の時にピッタリやな。

【語源・由来】
「角」は「つの突き合わせて競争する。」
「逐」は「後を追う。追い払う。」

【類義語】
対抗、対決

角逐(かくちく)の解説

カンタン!解説
解説

「角逐」という言葉は、互いに競争や争いをすることを表す言葉なんだよ。

この言葉の由来は、漢字の意味から来ているんだ。「角」は争うという意味があり、「逐」は追い払うという意味があるよ。だから、「角逐」を直訳すると「争って追い払う」という感じになるね。

実際の使われ方としては、特にビジネスやスポーツなど、競争が激しい場面でよく使われる言葉だよ。「業界での角逐」という表現では、ある業界での企業や団体同士の激しい競争を指していることがわかるんだ。

また、別の使い方として、「二つか三つの昇降機がほとんど並んで相角逐しながら動いている」〈寅彦・蒸発皿〉という場面では、いくつかの昇降機(エレベーター)が、まるで競争するように一緒に動いている様子を表現しているよ。

だから、「角逐」という言葉は、何かが他のものと激しく競争や争いをしている状態を示すときに使われる表現なんだね。

角逐(かくちく)の使い方

ともこ
あの銀行で、またシステム障害が起きたわね。
健太
仲の悪い銀行同士が合併してできた銀行だから、それぞれの勢力が角逐しているんだって。
ともこ
同じ銀行でありながら、二つの会社が今も存在している感じなのね。
健太
そうなんだよ。ミスを擦り付け合って、足を引っ張り合い、利用者にとっては関係のない迷惑な話なんだよね。

角逐(かくちく)の例文

例文
  1. その頃、国内では大名たちが激しい角逐を繰り広げていた。
  2. 彼の社長就任には、熾烈な角逐があったという。
  3. アイドルは華やかに見えるが、裏は角逐の世界です。
  4. 源氏と平氏の角逐は、源氏の勝利で終わりを告げた。
  5. 健太くんと彼は、互いに手柄を争って角逐していた。

角逐の文学作品などの用例

  1. ・・うな真昼の光の下に相角逐し、駈けり狂うて汀をめぐる。汀の草が踏み・・・ 寺田寅彦ある幻想曲の序

  2. ・・・匹の獅子が遊び戯れ相角逐しまた跳躍しているような幻覚をひき起こさ・・・ 寺田寅彦錯覚数題

  3. ・・・機がほとんど並んで相角逐しながら動いている場合が多いということで・・・ 寺田寅彦蒸発皿

「角逐」と「競争」の違いを解説

角逐」に似ている語に「競争(きょうそう)」があります。

競争」とは、
①互いに同じ目的に向かって勝敗・優劣をきそい合うこと。
②生物の、ある生息空間や食物をめぐる相互作用。異種どうしの種間競争と同一種どうしの種内競争がある。

という意味です。

角逐」も「競争」も、互いに争うことをいいます。

しかし「角逐」には追い払うというニュアンスが含まれます。

対して「競争」は、同じ目的に向かって優劣を競い合うことをいい、追い払うというニュアンスはありません。

また「競争」には、生物の、ある生息空間や食物をめぐる相互作用という意味がありますが、「角逐」にその意味はありません。

二字熟語の博士
「角逐」という言葉は、互いに競い合って争うことを意味しているよ。特にせりあいなどの接触を強調して使われることもあるんだ。この言葉は、文学や歴史的な文脈でよく使われる。

一方「競争」は、より広い意味を持っていて、同じ目的や目標に向かって、勝敗や優劣を競い合う行為全般を指す言葉だよ。特にビジネスやスポーツなどのコンテキストでよく使用されるね。また、生物学の文脈では、生物同士が生息空間や食物を巡って争う相互作用も「競争」と呼ばれることがあるんだ。

助手ねこ
ええと、つまり、「角逐」はちょっと古風な言葉で、互いにぶつかり合いながら争う感じやな。なんか、戦国時代とかの武将たちがせめぎ合うようなイメージやな。

「競争」の方はもっと一般的で、ビジネスやスポーツで「誰が一番上手いか」や「誰が一番速いか」とか、そういうのを競い合うことを指す言葉や。それに、生き物が食べ物や住む場所をめぐって争うのも、「競争」と呼ぶことがあるんやな。なるほど、ちょっとニュアンスが違うんやな。