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「稀有」の意味と使い方や例文!「稀有に終わる」は誤用?(類義語・対義語)

稀有の読み方・意味とは?(類義語・対義語)

意味

【二字熟語】
稀有

「希有」とも書く。

【読み方】
けう

【意味】
①めったにないこと。まれにあること。
②ふしぎなこと。奇異なこと。
③とんでもないこと。けしからぬこと。
④危うく死を免れること。

二字熟語の博士
「稀有」という言葉は、いくつかの異なる意味を持っているんだよ。まず、とても珍しくて、なかなか起こらないことを表しているんだ。次に、不思議で奇妙なことを指すんだよ。

そして、非常に悪いことや許されないことを言うこともあるんだ。最後に、ぎりぎりで死を避ける、つまり非常に危険な状況から脱出することも意味するんだよ。

助手ねこ
ほほー、色々な意味があるんやな。つまり、「めったにない珍しいこと」や「不思議で変わったこと」、それに「まったく許せへんような悪いこと」、さらには「あぶなっかしいけど、死から逃れたこと」を言うんやな。

稀有っていうのは、一言で言うても色んな事態を表わす言葉やな。

【語源・由来】
「稀」は「まれ。めずらしい。すくない。」

【類義語】
まれ、希少、稀代、希代、めずらしい、非凡、稀覯

【対義語】
普通、一般的、凡庸、平凡、陳腐、月並み

稀有(けう)の解説

カンタン!解説
解説

「稀有」という言葉はね、いろんな意味があるんだよ。

まずね、一番目の意味は「めったにないこと、まれにあること」。これはね、すごく珍しい出来事や事物を表しているんだ。たとえば、「稀有な出来事」と言ったら、普段はほとんど起こらない、とっても珍しいできごとがあったって意味なんだよ。

二番目の意味は「ふしぎなこと、奇異なこと」だよ。これは、普通では考えられないような、不思議で変わったことを指すんだ。例えば、「ここに稀有なは『いるまん』の『しめおん』じゃ」〈芥川・奉教人の死〉っていう文章では、とても変わった、普通では見かけないような珍しい人や物のことを言っているんだ。

三番目の意味は「とんでもないこと、けしからぬこと」。これはね、本当に驚くべきことや、許されないような行動を表しているんだよ。例えば、「稀有のわざする男かなと、ののしるときに」〈宇治拾遺・二〉っていう文章は、とても信じられないような悪いことをした人のことを言っているんだよ。

最後、四番目の意味は「危うく死を免れること」だよ。これは、とても危険な状況からなんとか生き延びることを意味しているんだ。たとえば、「平氏の大将維盛、通盛、稀有の命生きて加賀国へ引き退く」〈平家・七〉っていう文章では、大変な危険を乗り越えて、なんとか生き残ったということを伝えているんだよ。

ちなみに、「稀有」は「希有」とも書くことができるんだよ。これは同じ意味を持つ別の書き方なんだ。

だから、「稀有」という言葉は、めったにないこと、不思議なこと、とんでもないこと、危険を乗り越えて生き延びること、という色々な意味を持っているんだね。

稀有(けう)の使い方

ともこ
健太くん。この水槽で泳いでいる魚はハイランドカープじゃないの。
健太
そうなんだよ。お腹の中で子育てをする稀有な存在なんだよね。
ともこ
何でここにいるの?
健太
兄さんが研究をしているんだよ。稀有な生態を解明したいんだってさ。

稀有(けう)の例文

例文
  1. 非常に稀有なケースです。
  2. 健太くんは超能力という稀有な能力を持ている。
  3. 稀有な幸運に恵まれた。
  4. ともこちゃんは稀有な才能を発揮し、将来を嘱望されていた。
  5. 彼は稀有な経歴の持ち主です。

稀有の文学作品などの用例

  1. ・・・吉助「されば稀有な事でござる。折から荒れ狂うた浪を踏んで、いず方・・・ 芥川竜之介じゅりあの・吉助

  2. ・・・や実際運動家は、その稀有な想像力と統合力とをもって、資本主義生活・・・ 有島武郎片信

  3. ・・・だったというからなお稀有である。地獄も見て来たよ――極楽は、お手・・・ 泉鏡花絵本の春

「稀有に終わる」は「杞憂に終わる」の誤用表現

稀有」を使った言葉で「稀有に終わる」と表記されることがありますが、これは誤用です。

」が「」「」が「ゆう」と読むこともできることから、「杞憂(きゆう)に終わる」と混同したことによる間違いだと考えられます。

杞憂に終わる」は「無用の心配に終わる」という意味で、

  1. 彼女の心配は杞憂に終わった。
  2. ご心配が杞憂に終わることを願っています。

というように、心配事が現実にならずに済むという意味で用いられます。

「めったにない」という意味の「稀有」とは、意味も使い方も異なるので注意しましょう。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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