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「一心」の意味と使い方や例文!「一身」との違いは?(類義語・対義語)

一心の読み方・意味とは?(類義語・対義語)

意味

【二字熟語】
一心

【読み方】
いっしん

【意味】
①多くの人々が心を一つにすること。同心。
②心を一つの事に集中すること。また、その心。専念。
③仏語。
㋐あらゆる現象の根源にある心。
㋑浄土真宗で、真実の信心。

二字熟語の博士
「一心」という言葉は、たくさんの人が心を一つに合わせること、つまり一致団結することを指すこともあるし、一つのことに心を集中すること、つまり専念することも指すんだよ。

また、仏教の用語としては、すべての現象の根源にある心を指すこともあるし、真実の信心を表すこともあるよ。

助手ねこ
ああ、そやな。「一心」って言葉は、みんなが心を合わせて一つになることや、一つのことに集中することを表すんやな。

それに、お坊さんが使うような深い意味もあるんやな。それは、すべてのものの根本にある心や、真心からの信じることを言うんやな。これは深いなぁ。

【語源・由来】
「一」は「ひとつにする。すべて。全部。ひとしい。」
「心」は「こころ。きもち。精神。」

【類義語】
専心、一念、一途、専念

【対義語】
放心

一心(いっしん)の解説

カンタン!解説
解説

「一心」っていう言葉は、主に三つの意味があるんだよ。

1つ目は、「多くの人々が心を一つにすること」、つまり「同心」のことを指すよ。みんなが一緒になって何かを達成しようとするときに使われる表現だね。

2つ目の意味は、「心を一つの事に集中すること」またはその集中している心のことを指すよ。「専念」っていう言葉と同じように使われることが多いんだ。「会いたい一心で探し続ける」っていう文では、その人が誰かに会いたいという強い思いに心を集中して、ずっとその人を探し続けるという意味になるよ。

3つ目の意味は、仏教の用語として使われることがあるんだ。

㋐あらゆる現象の根源にある心。

㋑浄土真宗で、真実の信心。

㋐は、すべての現象の根源にある心を指していて、㋑は、浄土真宗において「真実の信心」を表しているんだ。これは、信仰心が純粋である、という意味だよ。

だから、「一心」っていう言葉は、文脈によって少し意味が変わるけど、基本的には心が一つになること、または心が一つのことに集中することを指すんだよ。

一心(いっしん)の使い方

ともこ
健太くんの愛猫は見つかったの?
健太
会いたい一心で探しているんだけど、見つからないんだ。
ともこ
元気でいると良いわね。
健太
見つけるまであきらめないよ。

一心(いっしん)の例文

例文
  1. 留学したい一心で英語の勉強をする。
  2. 治りたい一心で養生する。
  3. 怠けたい一心から仮病を使う。
  4. 家に帰りたい一心です。
  5. 手術がうまくいくように一心に祈る。

一心の文学作品などの用例

  1. ・・・事があっても――そう一心に思いつめながら、…………       ・・・ 芥川竜之介お律と子等と

  2. ・・・な空気を新たにしたい一心から、川に向った仏蘭西窓を一ぱいに大きく・・・ 芥川竜之介開化の良人

  3. ・・・けようと思ったら何せ一心に天理王様に頼まっしゃれ。な。合点か。人・・・ 有島武郎カインの末裔

「一心」と「一身」の違いを解説

一心」に似ている語に「一身」があります。

一身」は、
①一人のからだ。一人の人。
②自分一人。おのれ自身。
③全身。自分の命。

という意味です。

一心」は、一つの事に集中すること、多くの人が心を一つにすることをいいます。

対して「一身」は、ある物事についてその人だけに関係する場合、その人自身のすべてを指すので意味が違います。

二字熟語の博士
「一心」は、複数の人々が心を一つにすること、つまり一致団結することを指したり、また、自分の心を一つのことに完全に集中すること、つまり専念することを指すんだ。さらに、それは仏教の言葉としても使われ、すべての現象の根源にある心や、真実の信仰心を示すこともあるよ。

一方、「一身」は、一人の体、つまり一人の人を指したり、自分一人、つまり自分自身を示すことが多いんだ。さらには、全身や自分の命を指すこともあるよ。

助手ねこ
なるほどな。つまり、「一心」は、みんなが心を合わせて一つになることや、一つのことに心を集中することやな。仏教でも使われてて、色んなものの根源にある心や、真心からの信仰心を指すこともあるんやな。

「一身」は、一人のからだ、つまり一人の人のことや、自分一人のことを言うんやな。全体や命を表すときもあるんやで。これは、「自分自身」を強調するときによく使われる表現やな。

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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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