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「安堵」の意味と使い方や例文!「安心」との違いは?(類義語・対義語)

安堵の読み方・意味とは?(類義語・対義語)

意味

【二字熟語】
安堵

【読み方】
あんど

【意味】
①安心すること。
②居所に安住すること。
③鎌倉~江戸時代、幕府・領主などが支配下の武家・社寺の所領の知行を保証し、承認すること。旧知行地をそのまま賜ること。

二字熟語の博士
「安堵」という言葉は、まず一つ目の意味として、何かについて気がかりだったことが解消されて安心する状態を指すんだ。
二つ目としては、保護された土地の中で安心して生活すること、またその場所自体を意味するよ。
そして、三つ目の意味は中世の用語で、土地の所有権や領有権、知行権などを幕府や領主が公式に認めたことを表すんだよ。
助手ねこ
なるほどな。それはつまり、「心配事がなくなってほっとする」や「安全な場所でのんびり生活する」、あるいは「昔、土地の権利が公式に認められた」ってことやな。

ちょっと意味が色々あるけど、みんな「安堵」って言葉で表せるんやな。すごいな、日本語って。

【語源・由来】
「堵(かき)」の中に安ずる意。

【類義語】
安心

【対義語】
危惧、懸念、憂慮

安堵(あんど)の解説

カンタン!解説
解説

「安堵」っていう言葉には、いくつかの意味があるんだよ。

1つ目の意味は、心配事や気がかりなことがなくなって、安心することを指すんだ。「安堵の胸をなでおろす」や「無事を聞いて安堵した」っていう文は、心配事がなくなった安心感を表しているんだ。

2つ目の意味は、生活の場所や土地が安全で、安心して生活できる状態、またはその場所自体を指すんだ。「それより八幡にも安堵せずなりて、かかる身となりにけるとぞ」っていう文は、安心して生活できる場所にいられなくなった状況を表しているね。

3つ目の意味は、中世の日本で、土地の所有権や領有権、知行権などが幕府や領主から認められた、つまり公認された状態を指すんだ。

これらの意味から、「安堵」という言葉は、安心する状態、安心できる場所、または土地の権利が公認された状態を表す言葉だってことがわかるね。

安堵(あんど)の使い方

ともこ
健太くんが見つかってお母さんが安堵の表情を浮かべていたわよ。
健太
違うんだって。母さんが迷子になっていたんだよ。
ともこ
でも、館内アナウンスでは、健太くんという男の子が迷子になっていますって言っていたわよ。
健太
本当は母さんが迷子になっていたのに、自分の名前を出したくないからって僕の名前を出したんだよ。

安堵(あんど)の例文

例文
  1. その知らせにほっと安堵した。
  2. 安堵の胸をなでおろす。
  3. ともこちゃんは安堵のため息をついた。
  4. 健太くんの顔に安堵の色が浮かんでいた。
  5. ともこちゃんの無事を聞いて安堵した。

安堵の文学作品などの用例

  1. ・・・りしを知り、すこぶる安堵せるもののごとし。 我ら会員は相次いでナ・・・ 芥川竜之介河童
  2. ・・・屋の男女たちはやっと安堵の思いをした。実際古千屋の男のように太い・・・ 芥川竜之介古千屋
  3. ・・・に、鶴の前でもいれば安堵している。しかし浄海入道になると、浅学短・・・ 芥川竜之介俊寛

「安堵」と「安心」の違いは?

安堵」に似ている語に「安心」があります。

安心」は心配・不安がなくて、心が安らぐこと。また安らかなこと。(例:それなら安心だ。まだ安心できない。親を安心させる。ご安心ください。)

という意味です。

安堵」は心配なことが解消されたことを表し、「安心」とは心配なことがない状態を表すという違いがあります。

また、「安堵」には「安住」という意味が含まれる点も異なります。

二字熟語の博士
「安堵」という言葉は、心配事が無くなって安心することを表すんだよ。そして歴史的には、一定の場所で安心して生活できること、また、その場所を指すこともあるんだ。さらに、中世の日本では、土地の所有権や知行権が公認されたことも指すこともあるんだ。

それに対して、「安心」という言葉は、心配事がなくて心が穏やかになる状態を表しているんだよ。

助手ねこ
なるほどなー。「安堵」ってのは、心配なことが解消されて「ほっ」とする感じやな。あとは、自分の場所で安心して生活できること、そんな感じか。歴史的には、土地の持ち主やその権利が認められたことを指すこともあるんやな。

それに対し、「安心」ってのは、心配事がなくて、心が落ち着いている状態のことやな。こっちはもっとシンプルやな。安堵も安心も似てるけど、ちょっとニュアンスが違うんやな。

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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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