【二字熟語】
蟄居
【読み方】
ちっきょ
【意味】
①家の中にひきこもっていること。
②江戸時代、武士に科した刑罰の一。自宅や一定の場所に閉じ込めて謹慎させたもの。終身のものは永蟄居(ながちっきょ)という。
③虫などが冬眠のため地中にこもっていること。
【語源・由来】
「蟄」は「人が家の中に閉じこもる。」
「居」は「腰を落ち着けて住む。住む所。」
虫などが地中に隠れているように、世を退いて一室に謹慎することをいう。
【類義語】
籠城
蟄居(ちっきょ)の使い方
最近。健太くんのお兄さんを見かけないわね。
蟄居しているんだよ。
引きこもりになってしまったの?
そうなんだ。原因がわからないんだよ。
蟄居(ちっきょ)の例文
- お父上の蟄居閉門が一日も早く説かれますように。
- 蟄居せよとの命令を受けた。
- 受験生活は蟄居していた。
- 責任をとって蟄居謹慎します。
- 退職以来、蟄居生活をしています。
「蟄居」と「謹慎」「幽閉」の違いは?
「蟄居」に似ている語に「謹慎(きんしん)」「幽閉(ゆうへい)」があります。
「蟄居」と「謹慎」の違い
「謹慎」は
1 言動をひかえめにすること。また、そのさま。(例:酒をやめて謹慎する。)
2 一定期間、出勤や登校などを差し止める処罰。
3 江戸時代、上級の武士に適用された名目上の刑で、門戸を閉じて昼間の出入りを禁じたもの。慎 (つつしみ) 。
という意味です。
「蟄居」は、自宅や一定の場所に軟禁状態に置かれる刑罰のことをいいます。
対して「謹慎」は、現代では登校や出勤を差し止め自宅から外へ出るのを禁止すること。江戸時代では、昼間の出入りを禁じた刑罰をいう点が違います。
また、「謹慎」には言動をひかえめにするという意味がありますが、「蟄居」にその意味はありません。
「蟄居」と「幽閉」の違い
「幽閉」は、ある場所に閉じこめて外に出さないこと。
という意味です。
「幽閉」の「幽」は、「捕らえる」という意味で、自由に行動してもらっては困る人を、ある場所に閉じ込めることをいいます。
「地下牢に幽閉する」というように、他人と接触のない状態に閉じ込めることをいいます。「蟄居」は自宅や一定の場所に閉じ込める刑罰のことをいい、軟禁状態である点が違います。