【二字熟語】
伏線
【読み方】
ふくせん
【意味】
①小説や戯曲などで、のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくこと。また、その事柄。
②あとのことがうまくゆくように、前もってそれとなく用意しておくこと。また、そのもの。
【語源・由来】
「伏」は「隠れて表面に現れない。ひそむ。」
「線」は「つながり。手づる。」
【類義語】
布石
伏線(ふくせん)の使い方
健太くんが、急に本を読み始めたのは、作家になる伏線だったのね。
そうなんだ。まさか本当に作家になることができるとは思っていなかったんだけどね。
来るべきチャンスに備えて努力をしていたんだから、当然の結果でしょう。
まだ一作目だから、これからが勝負だよ。
伏線(ふくせん)の例文
- ラストは決まっていたので、何年も前から伏線を張っていた。
- 多くの伏線を敷いていたが、全てを消化することができないまま打ち切りになった。
- ミスリードを狙った伏線はレッドへリングと呼ばれます。
- 彼は、後に記者として身を立てる伏線として、政治に強い関心を持っていた。
- 法改正により、年金受取年齢を75歳まで引き上げる伏線が敷かれ、サラリーマンの老後問題が民間に丸投げされました。
「伏線回収」とは?誤用に注意!
「伏線」は、「伏線回収(ふくせんかいしゅう)」という表現で使われます。
「伏線回収」の「回収」は、 一度配った物や使った物などを、また集めることという意味です。
「伏線回収」とは、小説や戯曲などで、のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておき、あとで明らかにすることをいいます。
インターネット上で、「伏線回収」と間違えて「付箋回収(ふせんかいしゅう)」と表現している事例をしばしば見かけます。
「付箋回収」だと、疑問や注意すべき事柄などを書いてはりつける小さな紙片を貼って、また集めるという意味になります。
SNSなどでは、予測変換で間違えたまま、推敲せずに投稿することが多いです。
正しくは「伏線回収」なので注意しましょう。