愚妻の読み方・意味とは?(類義語・対義語)
【二字熟語】
愚妻
【読み方】
ぐさい
【意味】
自分の妻をへりくだっていう語。
あぁ、そういうことかいな。つまり、「自分の奥さんのことを、わざと低く言うて、へりくだってる」ってことやな。
自分の大切な人を、他の人に自慢せずに、控えめに言うってことやね。それが相手を思いやる気持ちの表れやな。
【語源・由来】
「愚」は「自分に関する物事に添えて謙遜を表す語。」
【類義語】
荊妻、山妻
【対義語】
賢妻
愚妻(ぐさい)の解説
カンタン!解説
「愚妻」という言葉は、自分の奥さんのことを話すときに使う、ちょっとへりくだった表現なんだよ。この言葉で、自分の奥さんをちょっと下に見せるけど、本当はその人を大切に思っているんだ。
たとえば、「ただ今愚妻留守につき帰り次第御房さんの考をきかせますから左様御承知を願います」〈漱石氏と私・高浜虚子〉っていう文章ではね、自分の奥さんがいない状況を伝えているんだ。ここで「愚妻」という言葉を使うことで、「うちの奥さんは今いないんだけど、帰ってきたらすぐに御房さんの話を聞いて伝えるから、それまで待っててほしいな」というような謙虚な気持ちを表しているんだよ。
また、「愚妻は何かと信心深いもんでな、御覧の通りに動揺しとるが」〈姑獲鳥の夏・京極夏彦〉っていう文章はね、「うちの奥さんはいろいろなことを深く信じ込むタイプで、だから今、すごく動揺しているんだ」という意味。この場合も、「愚妻」はちょっと謙虚に、でも大事に思っている奥さんのことを表しているんだよ。
だから、「愚妻」という言葉は、自分の奥さんを話すときに使う、謙虚で控えめな表現なんだね。
愚妻(ぐさい)の使い方
先生が愚妻を紹介しますって奥さんを紹介してくれたんだよ。
どんな人だった?
愚妻とは思えない素敵な人だったよ。
先生も謙遜してるだけで愚妻だとは思っていないわよ。
愚妻(ぐさい)の例文
- 愚妻の母と暮らすことになりました。
- 愚妻は出張で、一週間ほど留守です。
- 愚妻と散歩するのが趣味です。
- これは愚妻が仕込んだ梅酒です。
- 愚妻は体調が悪く、床に臥せることが多いです。
愚妻の文学作品などの用例
自分の妻に失礼になる?
「愚妻」は、自分の妻をいう丁重語です。
おろかな妻という意味ですが、謙称なので、必ずしも本当におろかと思っているわけではありません。
しかし、近年では男女平等が声高く叫ばれ、「愚妻」という表現は失礼だとする風潮があります。
自分の配偶者を尊重しつつ、謙遜して表現するための言葉なんだね。