読み方で悩みやすい漢字の一つに、「稲荷」があります。
Q「稲荷」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「いなり」
- 「いねに」
- 「いなり」と「いねに」両方とも
このページでは、悩みやすい「稲荷」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「稲荷」の読み方は、「いなり」?「いねに」?
稲荷神社の「稲荷」。この漢字の正しい読み方は「いなり」「いねに」どちらなのでしょうか?
漢字から察すると「いねに」の気もしますが、「いなり」にも聞き覚えはありそうですね。
「稲」の音読みは「トウ」、訓読みは「いな」「いね」となります。
一方「荷」の音読みは「か」、訓読みは「に」表外読みとして「にな(う)」「はす」となります。
このことから「いねに」は正しそうですが「いなり」はどうなのでしょう。
さて、結論を言ってしまうと、稲荷の読み方は「いなり」が正しく、「いねに」は間違いです。
つまり、答えとしては1つ目の「いなり」ということになります。
ただし、東京都世田谷区にある神社「稲荷森稲荷神社(とうかもりいなりじんじゃ)」や人名として「稲荷(いなに)さん」等の読み方もあるようです。
では、何故稲荷を「いなり」と読むのでしょうか?
これには諸説あり明確ではありません。
一つには熟字訓とする説があります。
ただ、稲荷の語源を「稲が生る」とする説や元は「伊奈利」とされていたとする説などもあります。
そうなると、漢字に読み方をあてたのではなく、「いなり」に漢字をあてた可能性もありますね。
いずれにしても一般的には、稲荷は「いなり」と読むことで間違いありません。
「稲荷」の意味
稲荷を辞書などで調べると次のように記されています。
1.五穀を司る神倉稲魂命を祀ったもの
2.稲荷の神の使いとされることから狐の俗称
3.狐の好物とされることから油揚げ異称、稲荷寿司の略称
「稲荷神社」や「稲荷寿司」等、稲荷と聞くと狐のイメージが非常に強いですが、実際には稲荷とは五穀を司る神倉稲魂命のことであり、狐はあくまでもその使いという立ち位置なんですね。
因みに、倉稲魂命は「日本書紀」での表記であり、「古事記」では宇迦之御魂神と記されています。
まとめ
- 稲荷の読み方は「いなり」が正しい。
- 稲荷を「いねに」と読むのは間違い。
- ただし、神社名や人名等では別の読み方も存在する。
- 稲荷とは、稲荷神社、狐の俗称、油揚げの異称、稲荷寿司の略称等として使われる。