「二字熟語の百科事典」が書籍化されました!詳細はコチラ

「脚色」の意味と使い方や例文!本来の意味は?(類義語)

脚色の読み方・意味とは?(類義語)

意味

【二字熟語】
脚色

【読み方】
きゃくしょく

【意味】
①古代中国で、仕官するときに提出する履歴書。
②中国で、元・明以降演劇の仕組書。俳優の専門の役割。
③一般に、脚本や芝居狂言の仕組。特に、小説などに手を加え、舞台装置・せりふ・ト書きなどを記して、演劇または映画・放送に適するようにすること。
④比喩的に、事実を誇張するなどしておもしろく語ること。

二字熟語の博士
「脚色」という言葉は、元々は古代中国の履歴書や、中国の演劇の仕組書を指していたんだよ。

でも、今は小説や物語を劇や映画に合わせて調整することを意味するようになった。それに、話を面白くするために事実を少し大げさに語ることも「脚色」と言うんだ。

助手ねこ
ほう、それは面白いな。つまり、元々は中国の履歴書や演劇のための仕組書のことを指してたんやけど、今は物語を舞台や映画に合わせて変えることや、話を大げさにして面白くすることも言うんやな。

事実をちょっと盛って話すのも「脚色」というわけか。これ、よくテレビや映画で話が面白くなるように使われるもんな。

【語源・由来】
芝居の仕組み、筋書の意から。

【類義語】
配布、分配、配分

【対義語】
回収

脚色(きゃくしょく)の解説

カンタン!解説
解説

「脚色」という言葉は、いくつかの意味があるんだ。

1つ目の意味は、古代中国で、仕官するときに提出する履歴書のことを指すんだ。古代中国では仕官するときに、自分の経歴や能力、家系などを詳しく書いた「脚色」という履歴書を提出しなければならなかったんだよ。これは、当時の人々が官職を得るために、自分の経験や資質をきちんと伝える手段だったんだね。

2つ目は、中国の元・明の時代以後の演劇の仕組書のことだよ。元・明の時代以降、演劇が非常に人気を博していて、それに伴って俳優たちは特定の役割やキャラクターを専門に演じるようになったんだ。その役割を示すための指示書やマニュアルが「脚色」だったんだよ。

3つ目の意味は、一般に、脚本や芝居の仕組のこと。特に、小説や物語を元にして、舞台や映画、ラジオやテレビなどのために、セリフや場面の構成などを作ることを言うんだ。たとえば、「自伝を脚色したテレビドラマ」という言い方は、実際の人の人生の話をもとにして、テレビドラマとして見せるためのストーリーやセリフを作り直した、っていうことを示しているよ。

4つ目は、比喩的な意味で、事実を少し大げさにする、または面白く語ることを言うんだ。例えば、「脚色の多い話」という表現は、実際の出来事を少し変えたり、大げさに話すことを指しているんだね。

だから、「脚色」という言葉は、状況や文脈によっていくつかの異なる意味で使われることがあるんだよね。それぞれの意味をしっかりと理解して、適切な場面で使うことが大切だね。

脚色(きゃくしょく)の使い方

ともこ
健太くん。この話はノンフィクションなの?
健太
多少脚色はしてあるけどノンフィクションだよ。
ともこ
へえ。実際にあったことなのね。
健太
登場人物がこの地球上のどこかで生きているんだと思うと、親近感を感じるよね。

脚色(きゃくしょく)の例文

例文
  1. 健太くんはその日の出来事を脚色して人に伝えた。
  2. 史実に基づいているが、会話はかなり脚色してある。
  3. ともこちゃんの話なので、どこまで脚色してあるか定かではない。
  4. 伝えたことの次第に、いささかの脚色をしなかったわけではない。
  5. 原作のラストを脚色した結果、原作ファンから批判を浴びた。

脚色の文学作品などの用例

  1. ・・・かつ『八犬伝』の脚色は頗る複雑して事件の経緯は入り組んでいる。加・・・ 内田魯庵八犬伝談余

  2. ・・・だけおもしろおかしく脚色してやりましょうと、万事「下肥えの代り」・・・ 織田作之助アド・バルーン

  3. ・・・常識を破って、自分で脚色をし、それが玄人はだしのシナリオだと騒が・・・ 織田作之助

「脚色」本来の意味は?

「脚色」は本来、古代中国で、役人になるために出生地などがわかる今でいう履歴書のような書類を提出する必要があり、これを「脚色」と呼んでいました。

元・明以降、意味が転じて、「演劇の仕組書。俳優の専門の役割」つまり、劇の脚本や役柄を表すようになり、近世以降になると「事実を誇張するなどしておもしろく語ること」という意味に変化していきました。

二字熟語の博士
「脚色」という言葉は、もともと古代中国の時代に、役人になりたい人たちが自分の生まれや経歴を示す書類のことなんだ。この書類を「脚色」と呼んでいたんだよ。

しかし、時代が進むと、この言葉の意味が変わり、劇や演劇の脚本や役割を示す言葉として使われるようになった。さらに、もっと時代が進むと、「事実を大げさにして面白く話すこと」という意味に変わっていったんだ。

助手ねこ
ほぉ~、それは面白いなぁ。「脚色」って、昔は自分の経歴を書いた書類の名前やったんや。

それが、劇のストーリーや役者の役どころを書く脚本のこと、そしてさらには、実際の話をちょっと盛って面白おかしく話すことになったんやな。時代と共に言葉の意味も変わるもんやね。

ABOUT US
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



error: 右クリックはできません。