【二字熟語】
流石
「遉」とも書く。
【読み方】
さすが
【意味】
[形動][文][ナリ]
①評判や期待のとおりの事実を確認し、改めて感心するさま。なるほど、たいしたもの。
②あることを一応は認めながら、一方でそれと相反する感情を抱くさま。あることをそのままは容認できないさま。そうとばかりも言えない。やはりそうもいかない。
[副]
①予想・期待したことを、事実として納得するさま。また、その事実に改めて感心するさま。なるほど、やはり。
②あることを認めはするが、特定の条件下では、それと相反する感情を抱くさま。そうは言うものの。それはそうだが、やはり。
③(「さすがの…も」の形で)そのものの価値を認めはするが、特定の条件下では、それを否定するさま。さしもの。
【語源・由来】
上代の「しかすがに」に由来するといわれる。流石は借字。
【類義語】
案の定、圧巻
流石(さすが)の使い方
健太くんの家の庭はすごいわね。
おじいちゃんが丹精込めて世話をしているからね。
流石自慢するだけあるわね。
テレビ局が取材に来るくらいすごい庭なんだよ。
流石(さすが)の例文
- 流石のチャンピオンも怪我には勝てなかったか。
- 普段率直な意見をいう僕でも流石にそこまでは言えないな。
- 流石名人だけのことはあって凡人には思いつけない一手だった。
- 流石学者の意見は素人とは次元が違うね。
- 学年ナンバーワンのともこちゃんだが、流石にその問題は解けなかった。
どうして「さすが」と読むの?
「流石」は「さすが」と読みます。
「流石」は借字で、元々は「然すがに(しかすがに)」といい、副詞「然(しか)」にサ変動詞「為(す)」の終止形「す」、接続助詞「「がに」の付いた語です。
「流石」と書くようになったのは、中国のことわざの一つ「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」からとされます。
中国には、「沈石漱流(ちんせきそうりゅう)」ということわざがあり、自然の中に隠遁して自由に生活するという意味です。
出典は「三国志」(蜀志)です。
このことわざを古代中国の孫楚という政治家が、「漱石沈流」(石に漱ぎ流れに枕す)と言ってしまい、友人の王済にからかわれましたが。負けん気の強い孫楚は、すかさず「流れに枕するのは耳を洗うためであり、石に漱ぐのは歯を磨くためだ」と言い返したそうです。(晋書、孫楚伝より)
このことから、「漱石枕流」は、負け惜しみが強く、自分の誤りに屁理屈をこねて言い逃れることのたとえとして使われます。
間違いを認めない孫楚の姿に、「さすがは孫楚」と言ったことから、「流石」を「さすが」と読むようになったというのが今の定説です。