【二字熟語】
心象
【読み方】
しんしょう
【意味】
心の中に描き出される姿・形。心に浮かぶ像。イメージ。
【語源・由来】
「心」は「こころ。精神。」
「象」は「かたち。すがた。ようす。ありさま。」
【類義語】
イメージ、印象
【対義語】
実態、現実
心象(しんしょう)の使い方
父さんの子供の頃の心象風景は、ちゃぶ台と山盛り御飯なんだって。
へえ。時代が分かるわね。
僕の小さい頃の心象風景は、仕事で忙しい両親がいないがらんとした家の中だよ。
お父さんの心象風景と違って寂し気ね。
心象(しんしょう)の例文
- その作品は、都会に住む若者たちの心象を描いています。
- それは私がこの異様な暗闇の中で水音を聞きながら勝手に作り上げた心象風景なのかもしれなかった。(村上春樹、ハードボイルド・ワンダーランド)
- それはおそらく畫面に描かれた風景が、その動體のままの位地で、永久に靜止してゐることから、心象的に感じられるヴイジヨンであらう。(荻原朔太郎、宿命)
- その映画は、自然現象を巧みに画面に映して主人公の心象風景を綴る。
- 心象的な文化である俳句を後世にも残したい。
「心象」と「印象」「心証」の違いは?
「心象」に似ている語に「印象(いんしょう)」「心証(しんしょう)」があります。
「心象」と「印象」の違いは?
「印象」は、
①人間の心に対象が与える直接的な感じ。また、強く感じて忘れられないこと。
②美学で、対象が人間の精神に直接与える感覚的あるいは情熱的な影響。
という意味です。
「心象」は、心に浮かぶことを表します。
対して「印象」は、ある対象に接して心に思い浮かんだことを表し、対象の有無が違います。
「心象」と「心証」の違いは?
「心証」は、
①心に受ける印象。人から受ける感じ。
②訴訟上の要証事実に対して形成される裁判官の主観的な認識や確信。
という意味です。
「心象」は、心に浮かぶイメージのことをいいます。
対して「心証」は、対象から受ける印象のことをいうので意味が違います。