【二字熟語】
丹精
「丹誠」とも書く。
【読み方】
たんせい
古くは「たんぜい」とも読んだ。
【意味】
①(丹誠)飾りけや偽りのない心。まごころ。誠意。丹心。赤心。
②心を込めて物事をすること。
【語源・由来】
「丹」は「まごころ。」
「精」は「雑念がなくひたすらはげむ。」
【類義語】
まごころ、熱心、丁寧
丹精(たんせい)の使い方
最近、撮り鉄が問題になっているね。
田畑に無断で入り込んで、丹精した野菜を踏み荒らしていくんですって。
全員じゃないんだろうけど、一人でもそういう人がいるとだめだよね。
マナーを守って、人の痛みを自分のことのように考えることができる人になってほしいわよね。
丹精(たんせい)の例文
- 会社の庭は、庭師ではなく、社長夫人自身が丹精したものだ。
- ボランティアが丹精込めて世話した紫陽花が見ごろとなっています。
- 丹精込めた野菜は、自分の子供のようなものだ。
- 丹精している植木鉢のならんだ奥に屋根屋の大将が昼寝をしていた。(向田邦子、無名仮名人名簿)
- この甥が入院当時骨と皮ばかりに瘠せていたのを叔父の丹精一つでこのくらい肥ったのだそうである。(夏目漱石、行人)
「丹精込めて」は間違い?
「丹精」を用いた「丹精込めて(たんせいこめて)」という表現を見かけることがあります。
「丹精」には、心を込めてという意味があることから、「丹精込めて」は、「丹精して」の間違いではないかと言われています。
しかし、「丹精」は「丹誠」とも書きます。
「丹精」は、心を込めて物事をすることをいいます。
もう一つ「飾りけや偽りのない心。まごころ。誠意。丹心。赤心。」という意味がありますが、こちらは「丹誠」と書きます。
「丹精」と「丹誠」は、使い分けが難しいことから、マスコミは「丹精」を統一的に使っています。
このことから、まごころをこめてという意味で、「丹精込めて」が使われ、正しい使い方だと言えます。
「丹精込めて」は、「丹精して」と「精魂込める」の混交表現だという指摘がありますが、正しい使い方です。