【二字熟語】
報恩
【読み方】
ほうおん
【意味】
①恩に報いること。恩返し。
②法要などを営んで仏恩に報じること。
【語源・由来】
「報」は「人がした事に対し、それ相当のお返しをする。むくいる。むくい。」
「恩」は「めぐみ。いつくしみ。情け。」
【類義語】
奉公、恩返し、感謝
【対義語】
忘恩、復讐
報恩(ほうおん)の使い方
この土地には、タヌキが恩返しをしたという報恩譚があるんだって。
へえ。何をしてくれたの?
人間に化けて、農民を苦しめる殿さまを懲らしめたんだって。
おつりが出るくらい報恩してくれたのね。
報恩(ほうおん)の例文
- 恩を感じていたが、報恩の機会は来なかった。
- 大きな恩のある彼を助けることは、僕にって報恩になる。
- 恩を感じて、人間に化けて機を織るとは、鶴にも報恩の気持ちがあるのだな。
- 阿弥陀仏への報恩のために進んで戦に身を投じた者たちだ。(和田竜 村上海賊の娘 上巻)
- 自分の所望を遂げるために恩を受けて、その望みを果たしたで、報恩になるものではない。(泉鏡花 義血侠血)
「報恩謝徳」とは?
「報恩」を用いた表現の一つに「報恩謝徳(ほうおんしゃとく)」があります。
「報恩謝徳」とは、受けためぐみや恩に対してむくいようと、感謝の気持ちを持つことという意味です。
【例文】
- されば自分が公の行状を書き記すのも、一つには追善供養のため、一つには報恩謝徳のためで、別に他意ある次第ではない。(谷崎潤一郎 武州公秘話)
- 報恩謝徳の厚志があらば、神明の加護もあろう。(島崎藤村、夜明け前)
- 報恩講は、浄土真宗の宗祖とされる親鸞の祥月命日の前後に、親鸞や阿弥陀如来に対する報恩謝徳のために営まれる法要のことをいいます。