【二字熟語】
木鐸
【読み方】
ぼくたく
【意味】
①木製の舌のある鉄でできた鈴。中国で、法令などを人民に示すときに鳴らしたもの。
②世人を覚醒させ、教え導く人。
【語源・由来】
「木」は「き。たちき。」
「鐸」は「大きな鈴。」
①の意味は、「礼記」(明堂位)から。
②の意味は、「論語」(八佾)から。
【類義語】
リーダー、指導者、盟主
木鐸(ぼくたく)の使い方
新聞を読む人が減ったってね。
不偏不党で、かつ社会の木鐸たる新聞社が無いんだもん。
マスコミが弱いと政治家は好き勝手できちゃうよね。
もっと社会の木鐸としての自覚をもって記事を書いてほしいわよね。
木鐸(ぼくたく)の例文
- 戦後になっても、そういう木鐸としての先生の位置に変りはないだろう。(福永武彦 第五随筆集 書物の心)
- 彼らは、新聞は社会の木鐸であるという言葉をいまも信じて正義を追求している。
- 官邸と結託し印象操作の先兵役を務めたその新聞は、自分たちは社会の木鐸という意識が無いのだろう。
- マスコミは社会問題を取り上げ、その問題を合理的に解決する方法を提示することで、国民に必要とされる社会の木鐸になれる。
- 学者に理窟の多いのは、真理追求の意欲がさかんであるためで、そうあってこそ、一世の木鐸として民衆を教化して行くことができるので、民衆に附和雷同することを以て足れりとするような学者は、曲学阿世の徒で、学者たるの資格のないものだと思う。(海音寺潮五郎 赤穂義士)
「社会の木鐸」とは?
「木鐸」を用いた表現の一つに「社会の木鐸」があります。
「社会の木鐸」とは、世論や社会を導く立場にある人のことをいいます。
【例文】
- 社会の木鐸であるべきメディアはその件に触れず、だんまりを貫いている。
- おそらくこの取材記者は信念として報道の〈公平さ〉よりも、社会の〈木鐸〉としての新聞の役割を重視している人間であろう。(李成 砧をうつ女)