隠棲の読み方・意味とは?(類義語)
【二字熟語】
隠棲
【読み方】
いんせい
【意味】
俗世間を逃れて静かに住むこと。また、その住まい。
また、そんなふうに静かに生活する場所のことも言うんやな。
【語源・由来】
「隠」は「表面・世間からかくれる。」
「棲」は「すむ。すまう。また、すみか。」
【類義語】
隠居、隠遁、隠者、隠れる
隠棲(いんせい)の解説
「隠棲」っていう言葉は、世間の喧騒から離れて、静かな場所で生活を送ることを意味するんだよ。
たとえば、山奥や田舎に引っ越して、自然と共に静かな生活を楽しむことが「隠棲」だね。また、政治家が政界を引退して、故郷に戻って静かに過ごすことも「隠棲」と言えるよ。
この言葉は、あえて世間の喧噪から身を引き、穏やかで静寂な生活を選択するという意味合いが強いんだ。だから、「隠棲する」って言うときは、都会の生活や社会的な役職から身を引いて、自然に囲まれた静かな場所でゆったりと生活を送る、そんなイメージがあるんだよ。
隠棲(いんせい)の使い方
隠棲(いんせい)の例文
- 政治の世界から隠棲して風雅な世界に生きています。
- 引退した後は、公の場に姿をあらわすことは無く、隠棲したまま亡くなった。
- 彼は若くして出家し、山寺で隠棲した。
- 俗世から離れて隠棲しているのだから、携帯電話を持ったら意味がない。
- 祖父は京都に隠棲して、仏道三昧の生活を送っています。
隠棲の文学作品などの用例
-
・・・日以後の文人は山林に隠棲して風月に吟誦するような超世間的態度で芝・・・ 内田魯庵「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
「隠棲」と「隠居」の違いを解説
「隠棲」に似ている語に「隠居(いんきょ)」があります。
「隠居」とは、
①官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと。また、その人。民法旧規定では、戸主が生前に家督を相続人に譲ることをいう。
②俗世を離れて、山野に隠れ住むこと。また、その人。
③江戸時代の刑罰の一。公家・武家で、不行跡などを理由に当主の地位を退かせ、俸禄をその子孫に譲渡させた。
という意味です。
「隠棲」も「隠居」も、俗世を離れて、山野に住むことをいいます。
しかし「隠居」には、「官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと。民法旧規定では、戸主が生前に家督を相続人に譲ること。江戸時代の刑罰の一。」という意味がある点が「隠棲」と違います。
それに対して、「隠居」は主に三つの意味があるんだ。一つ目は、自分の仕事や家の事をやめて、ゆっくりと生活を楽しむことだよ。また、そのような生活をしている人も「隠居」と呼ぶんだ。
二つ目は、「隠棲」に近い意味で、世間から離れて山や野に住むことも「隠居」と言うよ。最後の三つ目は、江戸時代の刑罰の一つで、何か悪いことをした公家や武家の当主が地位をやめて、その待遇を子孫に譲ることを指すんだ。
対して、「隠居」は、仕事や家業をやめて、ゆっくりと人生を楽しむこと、またはその人自体、あるいは山や野に引っ込んで静かに暮らすことやな。さらに、もう一つは、昔の江戸時代の刑罰で、何か悪いことをしたお偉いさんが、自分の地位を辞めて子孫に引き継がせることも「隠居」っていうんやな。
また、そのように静かに暮らす場所を指すこともあるんだ。