読み方で悩みやすい漢字の一つに、「悪戯」があります。
Q「悪戯」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「いたずら」
- 「あくぎ」
- 「いたずら」と「あくぎ」両方とも
このページでは、悩みやすい「悪戯」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「悪戯」の読み方は、「いたずら」?「あくぎ」?
悪戯の正しい読み方は、「いたずら」「あくぎ」どちらなのでしょうか。
「いたずら」はよく聞きますが、「あくぎ」はあまり耳馴染みとしては少ないかも知れませんね。
「悪」の音読みは「アク」「オ」、訓読みは「わる(い)」表外読として「あ(し)」「いずく(んぞ)」「にく(む)」となります、
一方「戯」の音読みは「ギ」表外読みとして「ゲ」、訓読みは「たわむ(れる)」表外読みとして「ざ(れる)」「たわ(ける)」となります。
このことから「あくぎ」は正しそうですが「いたずら」はどうなのでしょう。
さて、結論を言ってしまうと、悪戯の読み方は「いたずら」「あくぎ」どちらも間違いではありません。
つまり、答えとしては3つ目の「両方とも」ということになります。
とはいえ、一般的には「いたずら」と読まれる方が多いですね。
また、悪戯を「いたずら」と読む場合と「あくぎ」と読む場合では、わずかながら意味に違いが生じる場合もありますので注意が必要です。
さて「あくぎ」は理解できるものの、何故悪戯を「いたずら」と読むのでしょうか?
実はこれ、熟字を訓読みにする熟字訓と呼ばれるものです。
訓読みが漢字を日本語として意味が通じるように読ませるように、熟字訓とは熟語に対して日本語の意味が通じる読み方で読ませたものです。
簡単にいってしまえば、一つの熟語に対して訓読みをしているということですね。
他にも今日(きょう)明日(あした)昨日(きのう)等様々な熟字訓があります。
今回の悪戯は「あくぎ」とも読みますが、これの持つ意味が日本語の「いたずら」とほとんど変わらないために、そう読まれるようになりました。
また悪戯には「わるざれ」「わるじゃれ」との読み方もあります。
「悪戯」の意味は、「いたずら」と「あくぎ」で違う!
「いたずら」と「あくぎ」ですが、前述のように2つの読み方により少々意味合いが異なる場合があります。
まず「いたずら」ですが、こちらは「徒」の漢字を使うこともあります。
意味としては、無益で悪い戯れ、悪ふざけ、悪さ。この他に手すさびなどの自分の行動を謙遜して用いられます。
一方「あくぎ」の場合には、基本的に「いたずら」と同じですが、最後の自分の行動に対する謙遜の意味が含まれません。
この部分の違いがあるといえるでしょう。
例文としては、「子供達の悪戯に悩まされる」「ほんの悪戯で描いた絵です」など。
前者は「いたずら」「あくぎ」どちらも使いますが、後者は「いたずら」のみになります。
因みに悪戯を「わるざれ」「わるじゃれ」と読む場合には、「悪ふざけ」等の他に「下手な洒落、駄洒落」「過度に着飾ること」の意となります。
まとめ
- 悪戯の読み方は「いたずら」「あくぎ」どちらも正しい。
- 「いたずら」と「あくぎ」では意味が少々異なる。
- 「いたずら」は、悪ふざけや悪さ。他に自分の行動を謙遜して用いられる。
- 「あくぎ」は、自分の行動に対する謙遜は含まれない。
- 悪戯には「わるざれ」「わるじゃれ」との読み方もある。