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「刻苦」の意味と使い方や例文!「刻苦をいとう」とは?(類義語・対義語)

【二字熟語】
刻苦

【読み方】
こっく

【意味】
心身を苦しめてつとめること。甚だしく苦労すること。

【語源・由来】
「刻」は「きざむ。むごい。ひどい。きびしい。」

【類義語】
努力、精励、出精、尽力、研鑽、営営、精勤、奮闘、粉骨砕身

【対義語】
怠惰、無精、横着

「刻苦をいとう」とは?

刻苦」を用いた語に「刻苦をいとう」があります。

有名な中島敦の「山月記」に「刻苦をいとう怠惰」という表現で出てきます。

「山月記」は、青年李徴が詩人になろうとするも挫折し、虎になってしまう話です。

刻苦をいとう怠慢」の「いとう」は「厭う」と書き「避ける、嫌がる」という意味です。「怠惰」は「すべきことをなまけて、だらしないこと。怠慢」という意味で、「刻苦をいとう怠慢」とは、「心身を苦しめてつとめることを嫌がって避ける、なまけてだらしないさま」ということです。

刻苦をいとう怠慢」が出てくる文章がこちらです。

「才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己の凡てだったのだ。(自分に本当は才能がないことが明らかになるのを恐れた卑怯さと、刻苦を嫌って避け、怠けてだらしなかったことがすべての原因だ)」 出典:「青空文庫

詩人として有名になりたかったけれども、他人と切磋琢磨しなかったと嘆いています。

「山月記」では、「刻苦」は「夢をかなえるための必死の努力や苦労」という意味で使われています。

刻苦(こっく)の使い方

健太
成績が上がらないよ。
ともこ
努力が足りないのよ。
健太
がんばってるよー。
ともこ
刻苦勉励しないと、がんばったとは言えないのよ。

刻苦(こっく)の例文

  1. 社長がここまでのし上がるのに、どれほど刻苦したのであろう。
  2. 健太くんの人生は刻苦の連続だった。
  3. 刻苦を乗り越え幸せをつかみたい。
  4. 長年刻苦して得た財産を振り込め詐欺なんかにとられてたまるか。
  5. 刻苦精励して特効薬を開発している。