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「此方(こなた)」の意味と使い方や例文!その他の読み方は?(対義語)

【二字熟語】
此方

【読み方】
こなた

【意味】
①近称の指示代名詞。ある地点より話者のいる地点に近い場所・方向などを示す。こちら。こっち。
②二人称の人代名詞。あなた。
③近称の指示代名詞。過去または未来の一時点から話者のいる現在へ向かっての時間。
㋐それからのち。以来。
㋑それより前。以前。
④三人称の人代名詞。今話題になっている人。また、近くにいる人。
⑤一人称の人代名詞。わたくし。

【語源・由来】
「此」は、「これ。この。ここ。近くの事物を指す語。」

【対義語】
彼方(かなた)

此方(こなた)の使い方

ともこ
健太くん。ちょっと此方に来て。
健太
何々?何かあるの?
ともこ
ほら。この前植えた種が芽を出したわよ。
健太
うわあ。かわいいね。どんな花が咲くのか楽しみだ。

此方(こなた)の例文

  1. 彼方を立てれば此方が立たずで、全ての人を満足させることは難しい。
  2. 此方に来てから、健太くんは落ち着いたように見えます。
  3. ちらっと此方を見たが、違う方を向いて歩いて行ってしまった。
  4. 此方の手紙は明後日には彼方に届くでしょう。
  5. 此方から頭を下げるのだけはごめんだ。

「此方」のその他の読み方は?

此方」は、「こなた」と読む他にも「こちら」「こっち」「このかた」「このほう」「こんた」「こち」とも読みます。

こちら」と読むと、

①近称の指示代名詞。
㋐話し手に近い方向をさす。
㋑話し手のいる、またはその方向にある場所をさす。
㋒話し手の近くにある物をさす。
②一人称の人代名詞。話し手自身、また話し手の側をさす。当方。
③三人称の人代名詞。話し手のすぐそばにいる人をさす。同等以上の人に用いる。この人。それだけではなく第三者のことや、自分自身のことも「此方」という言葉で表すことができるのです。

こっち」(「こち」の音変化)と読むと、

[代]
①近称の指示代名詞。聞き手よりも話し手の方に近い場所やそこにある物、または、その方向をさす。
②一人称の人代名詞。話し手自身、または、その周辺にいる人々をさす。こちら。当方。
[名]ある事が起こった時から今まで。以来。このかた。

「こっち」は、「こちら」よりもくだけた感じの語。

このかた」と読むと

①〘連語〙こちらのかた。こちら側。こなた。
②〘名〙その時より後。それ以来。こなた。
③〘代名〙他称。話し手側または話し手に近い関係にある人をさし示す(近称)。「このひと」をさらに敬意をもって呼ぶとき用いる語。

このほう」と読むと

①〘名〙 こちらの属している地や国。わが国。
②〘代名〙 自称。男性が用いる。われ。

という意味になります。

こんた」は、 「こなた」の変化した語で、「対称。お前。あなた。」

此方」は、いずれの読み方でも、こちらという意味があります。

「此方」の読み方は、「こなた」が一般的です。
此方」は、読み方によって意味が違い、同じ読み方でも複数の意味があるので使う時は注意しましょう。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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