【二字熟語】
此方
【読み方】
こなた
【意味】
①近称の指示代名詞。ある地点より話者のいる地点に近い場所・方向などを示す。こちら。こっち。
②二人称の人代名詞。あなた。
③近称の指示代名詞。過去または未来の一時点から話者のいる現在へ向かっての時間。
㋐それからのち。以来。
㋑それより前。以前。
④三人称の人代名詞。今話題になっている人。また、近くにいる人。
⑤一人称の人代名詞。わたくし。
【語源・由来】
「此」は、「これ。この。ここ。近くの事物を指す語。」
【対義語】
彼方(かなた)
此方(こなた)の使い方
此方(こなた)の例文
- 彼方を立てれば此方が立たずで、全ての人を満足させることは難しい。
- 此方に来てから、健太くんは落ち着いたように見えます。
- ちらっと此方を見たが、違う方を向いて歩いて行ってしまった。
- 此方の手紙は明後日には彼方に届くでしょう。
- 此方から頭を下げるのだけはごめんだ。
「此方」のその他の読み方は?
「此方」は、「こなた」と読む他にも「こちら」「こっち」「このかた」「このほう」「こんた」「こち」とも読みます。
「こちら」と読むと、
①近称の指示代名詞。
㋐話し手に近い方向をさす。
㋑話し手のいる、またはその方向にある場所をさす。
㋒話し手の近くにある物をさす。
②一人称の人代名詞。話し手自身、また話し手の側をさす。当方。
③三人称の人代名詞。話し手のすぐそばにいる人をさす。同等以上の人に用いる。この人。それだけではなく第三者のことや、自分自身のことも「此方」という言葉で表すことができるのです。
「こっち」(「こち」の音変化)と読むと、
[代]
①近称の指示代名詞。聞き手よりも話し手の方に近い場所やそこにある物、または、その方向をさす。
②一人称の人代名詞。話し手自身、または、その周辺にいる人々をさす。こちら。当方。
[名]ある事が起こった時から今まで。以来。このかた。
「このかた」と読むと
①〘連語〙こちらのかた。こちら側。こなた。
②〘名〙その時より後。それ以来。こなた。
③〘代名〙他称。話し手側または話し手に近い関係にある人をさし示す(近称)。「このひと」をさらに敬意をもって呼ぶとき用いる語。
「このほう」と読むと
①〘名〙 こちらの属している地や国。わが国。
②〘代名〙 自称。男性が用いる。われ。
という意味になります。
「こんた」は、 「こなた」の変化した語で、「対称。お前。あなた。」
「此方」は、いずれの読み方でも、こちらという意味があります。