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「苦情」の意味と使い方や例文!「不満」「クレーム」との違いは?(類義語・対義語)

苦情の読み方・意味とは?(類義語・対義語)

意味

【二字熟語】
苦情

【読み方】
くじょう

【意味】
①他から害や不利益などをこうむっていることに対する不平・不満。また、それを表した言葉。
②苦しい事情。

二字熟語の博士
「苦情」という言葉は、二つの意味があるんだ。一つ目は、他人から受けた害や不利益に対して感じる不満や不平のこと。そして、それを言葉に出したものが「苦情」と呼ばれるんだよ。

二つ目は、つらい状況や困難な事情を指しているんだ。

助手ねこ
ほな、「苦情」っていうのは、一つは「他の人からの迷惑や困ったことに対して、ええかげんにせえよって言いたい気持ち」ってことやな。

もう一つは、「生活がきついとか、何かしんどい状況にあること」を言うんやな。人からの迷惑にも、生活のしんどさにも、同じ言葉で「苦情」って言うんやで。

【語源・由来】
「苦」は「にがにがしい。」
「情」は「物事に感じて起こる心の動き。気持ち。」

【類義語】
文句、クレーム

【対義語】
応援

苦情(くじょう)の解説

カンタン!解説
解説

「苦情」という言葉はね、2つの意味があるんだ。

まずね、一つ目の意味は、自分が何か悪いことや困ったことにあって、それについて嫌だなあ、困るなあと思う気持ちや、そのような気持ちを言葉にしたものを指すんだ。たとえば、学校で友達からいじめられたり、お店で買ったおもちゃがすぐ壊れたりした時に、「これはひどい!」って思って、先生やお店の人に文句を言うことを「苦情を言う」というんだ。また、「苦情が殺到する」というのは、たくさんの人が同じような不満を持っていて、みんなでそのことについて文句を言ったりすることを意味しているんだよ。

そして、二つ目の意味は、自分がとても大変な状況にあること、つまり「苦しい事情」を表すんだよ。これは、お金が足りなかったり、仕事がとても忙しかったりするような、困難な状況にあることを指しているんだ。例えば、昔の人が生活がとても苦しい状況にあることを伝えるために、「或は関東の苦情を演べ」〈染崎延房・近世紀聞〉という言葉を使って、その大変さを説明したことがあるんだ。

だから、「苦情」という言葉は、自分が困ったことや嫌なことがあった時の不満や不平を表す意味と、本当に苦しい、つらい状況にあることを示す二つの意味があるんだね。

苦情(くじょう)の使い方

健太
文化祭の最後に花火をあげたらどうかな。
ともこ
うるさいって苦情が来るわよ。
健太
近所の皆さんも楽しめるのに?
ともこ
楽しくない人もいるのよ。

苦情(くじょう)の例文

例文
  1. 客からの苦情に対応する。
  2. 駅前の放置自転車に対して、市民から苦情が出ています。
  3. 接客態度が悪いという苦情がありました。
  4. 弁護士に苦情を持ち込む。
  5. 幼稚園の子供の声がうるさいという苦情の電話が多い。

苦情の文学作品などの用例

  1. ・・・だったものですから、苦情を言うの言わないのではありません。しまい・・・ 芥川竜之介温泉だより

  2. ・・・眠むそうな声で、こう苦情を申し立てましたが、新蔵はそれには返事も・・・ 芥川竜之介妖婆

  3. ・・・作一同の地主に対する苦情に就いてであった。一反歩二円二十銭の畑代・・・ 有島武郎カインの末裔

「苦情」と「不満」「クレーム」の違いを解説

苦情」に似ている語に「不満(ふまん)」「クレーム」があります。

「苦情」と「不満」の違い

不満」は、もの足りなく、満足しないこと。また、そのさまやそう思う気持ち。不満足。

という意味です。

苦情」は、不満という意味があるので、「不満」とは同じ意味です。

しかし、「苦情」には、事実と異なっていておかしいと訴えることをいう点が違います。

二字熟語の博士
「苦情」と「不満」は似ているけど、ちょっと違う言葉なんだよ。「苦情」というのは、何か具体的な問題があって、それに対して不平や不満を言うことを指すんだ。たとえば、商品が壊れているとか、サービスが悪いとか、具体的な理由があるんだよ。

一方、「不満」とは、もの足りなさや満足できない感じを表す言葉で、これはもっと広い意味を持っているんだ。具体的な理由がなくても、何か全体的に満足できないと感じることを言うんだよ。

助手ねこ
なるほどなぁ、つまり「苦情」は、「ここの部分が悪いねん!」って具体的な不満を言うことやな。例えば、レストランで料理が冷たかったりしたら、「ここの料理、冷たくてアカン!」って苦情を言うわけや。

一方で「不満」はもっと広くて、「なんか、この店、気に入らんなぁ」みたいな、具体的じゃないけど心の中で感じてる不満のことを言うんやな。要は、「苦情」は具体的な問題点を指摘するけど、「不満」はもっと漠然とした不満足感を表すってことやね。

「苦情」と「クレーム」の違い

クレーム」は
①商取引で、売買契約条項に違約があった場合、違約した相手に対して損害賠償請求を行うこと。
②苦情。異議。

という意味です。

苦情」も「クレーム」も不満を訴えるという意味は同じです。

しかし、「クレーム」は、商取引でなんらかの損害を被った場合の損害賠償請求をいう点が違います。

二字熟語の博士
「苦情」と「クレーム」は、どちらも不満や不平を表す言葉だけれど、使われる状況が少し違うんだ。「苦情」とは、何かしらの害や不利益を受けた際に感じる不平や不満のことで、日常生活の中での問題点や困った事に対して用いられることが多いんだよ。

それに対して「クレーム」は、特に商取引の分野で使われることが多くて、契約違反や商品の問題など、具体的な理由がある場合に、損害賠償の請求や異議申し立てをすることを指すんだよ。つまり、「苦情」は一般的な不満や不平を指し、「クレーム」は商業的な文脈で具体的な問題に対する異議や請求を意味するんだ。

助手ねこ
へぇ〜、そういうことかい。要するに、「苦情」はもっと広い意味で、何かしら不都合があったときに感じる不満全般のことを言うんやな。例えば、「この商品、壊れてるやん!」みたいな、日常の中で困ったことや不満を言うときに使う事が多いんやな。

でも、「クレーム」は、商品を買ったりサービスを受けたりして、その内容になんか問題があるときに使うんやろ?例えば、「この商品、説明と違うやんけ!損害賠償して!」って感じで、契約の話や法律的な問題に関わる不満や異議を言うときに使うんやな。つまり、「苦情」はもっと幅広い不満や不平を表し、「クレーム」は具体的な商取引の問題点に対する言葉なんやね。