【二字熟語】
推参
【読み方】
すいさん
【意味】
①自分のほうから出かけて行くこと。また、招かれていないのに人を訪問することを、詫びる気持ちをこめていう。
②出すぎていること。差し出がましいこと。無礼なこと。また、そのさま。
【語源・由来】
「推」は「前の方におし出す。前に動かし進める。」
「参」は「ある目的のためにそこへ行く。まいる。」
【類義語】
失敬、不行儀、不躾、非礼
推参(すいさん)の使い方
昨日、先生の家に推参したんだ。
アポなしで行ったの?迷惑な人ね。
困った時はいつでもおいでって言われてたんだ。今回、テストの点数が悪くて進級があぶないから、100点にしてくれるよう頼みに行ったんだ。
そんな不正を頼みに行ったなんて、ますます無礼ね。
推参(すいさん)の例文
- 就職先を紹介してもらうために、ゼミの先生の家に推参した。
- 健太くんは、推参をはばからず先輩の家に突撃訪問する。
- 深夜に推参して申し訳ないですが、急いでお耳に入れたいことがありました。
- 殿上人ども推参の所多く、頭痛きまでめぐり歩く。(増鏡)
- いかなる推参の婆伽者にてかありけん。(太平記)
「推参」と「参上」「見参」との違いは?
「推参」に似ている語に「参上(さんじょう)」「見参(けんざん)」があります。
「推参」と「参上」の違いは?
「参上」は、「目上の人の所に行くこと。また、人のもとに行くことをへりくだっていう語。まいること。うかがうこと。」という意味です。
「推参」も「参上」も、人を訪問することをいいます。
しかし「推参」は、招かれていないのに自分から押しかけて訪問することをいいます。
対して「参上」は、目上の人の所にいくことをいい、押しかけるという意味がない点が違います。
また「参上」には、「推参」のような無礼という意味がありません。
「推参」と「見参」の違いは?
「見参」は、
①参上して目上の人に対面すること。げざん。げんぞう。
②目上の人が目下の者に会ってやること。げざん。げんぞう。
③節会 (せちえ) や宴会などに出席すること。また、出席者が記名して、その主人の前に差し出すこと。げざん。げんぞう。
という意味です。
「見参」は、目上の人が目下の人に会ってやること、目上の人に会いに行き対面することをいいます。
対して「推参」は、招かれていないのに自分から押しかけて訪問することをいうので意味が違います。