読み方で悩みやすい漢字の一つに、「他所」があります。
Q「他所」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「たしょ」
- 「よそ」
- 「たしょ」と「よそ」両方とも
このページでは、悩みやすい「他所」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「他所」の読み方は、「たしょ」?「よそ」?
他所の正しい読み方は、「たしょ」「よそ」どちらなのでしょうか。
漢字から察すると「たしょ」の気もしますが、「よそ」にも聞き覚えはありそうですね。
「他」の音読みは「タ」、訓読みは「ほか」となります。
一方「所」の音読みは「ショ」表外読みとして「ソ」、訓読みは「ところ」となります。
このことから「たしょ」は正しそうですが「よそ」はどうなのでしょう。
さて、結論を言ってしまうと、他所の読み方は「たしょ」「よそ」どちらも間違いではありません。
つまり、答えとしては3つ目の「両方とも」ということになります。
ただ、実際には他所は「よそ」と読むのが一般的となるようです。
また、「たしょ」「よそ」どちらで読むかにより、若干意味合いが異なる場合があります。
さて「たしょ」は理解できるものの、何故他所を「よそ」と読むのでしょうか?
実はこれ、熟字を訓読みにする熟字訓と呼ばれるものです。
訓読みが漢字を日本語として意味が通じるように読ませるように、熟字訓とは熟語に対して日本語の意味が通じる読み方で読ませたものです。
簡単にいってしまえば、一つの熟語に対して訓読みをしているということですね。
他にも今日(きょう)明日(あした)昨日(きのう)等様々な熟字訓があります。
今回の他所は「たしょ」とも読みますが、これの持つ意味が日本語の「よそ」とほとんど変わらないために、そう読まれるようになりました。
「他所」の意味は、「たしょ」と「よそ」で違う!
まず「たしょ」ですが、「その場所と違う場所、他の所」の意味があり、それ以外に「他の場所に移ること」を指します。
一方「よそ」になると、「その場所と違う場所、他の所」の意味があり、それ以外に「直接的な関係を持たない物事や場所、人。疎遠なこと」を指します。
つまり「たしょ」と「よそ」では、前者としては同じ意味でありながら、後者としてそれぞれ異なる意味を持つことになります。
因みに「よそ」の場合には「余所」の漢字を使う場合もありますね。
他所の使い方としては、「他所払手形(たしょばらいてがた)」や「他所(よそ)の国では通じない常識」等があります。
まとめ
- 他所の読み方は「たしょ」「よそ」どちらも正しい。
- ただし「よそ」と読むのが一般的である。
- 「よそ」ぼ場合は余所の字も使われる。
- 「たしょ」「よそ」共通の意では「その場所と違う場所、他の所」となり、それぞれ他の意も持つ。