【二字熟語】
悟性
【読み方】
ごせい
【意味】
①物事を判断・理解する思考力。知性。
②カント哲学で、理性・感性から区別され、感性的所与を総合的に統一して概念を構成し、対象を認識する能力。
③ヘーゲル哲学で、弁証法的な具体的思考の能力である理性に対し、有限的、限定的な規定に立ち留まっている抽象的な思考能力。
【語源・由来】
「悟」は「はっと思い当たる。真理に目覚める。さとる。さとり。」
「性」は「さが。うまれつき。うまれながらの心のはたらき。」
【類義語】
理性、知恵
【対義語】
感性
悟性(ごせい)の使い方
悟性(ごせい)の例文
- 飲酒で悟性が鈍っている。
- 疲れ切って気力がなかったが、おかしいと思う悟性が残っていた。
- 自分の悟性を信じる。
- ともこちゃんの目には悟性の強い光が宿っている。
- 悟性による判断を直感が上回る瞬間がある。
「悟性」と「理性」「知性」との違いは?
「悟性」に似ている語に「理性」「知性」があります。
「悟性」と「理性」の違いは?
「理性(りせい)」は、
①道理によって物事を判断する心の働き。論理的、概念的に思考する能力。
②善悪・真偽などを正当に判断し、道徳や義務の意識を自分に与える能力。
③カント哲学で、広義には先天的能力一般。狭義には悟性・感性から区別され、悟性の概念作用を原理的に統一・制御・体系化する無制約の認識能力。理念の能力。
④ヘーゲル哲学で、悟性が抽象的思考の能力であるのに対して、弁証法的な具体的思考の能力。
⑤宇宙・人生をつかさどる基本原理。
という意味です。
「悟性」も「理性」も、思考の能力をいいます。
「悟性」は、自分の理解した諸事実などに基づいて、論理的に物事を判断する能力をいいます。
対して「理性」は、道理に基づいて判断する能力をいうので意味が違います。
「悟性」と「知性」の違いは?
「知性(ちせい)」は、
②物事を知り、考え、判断する能力。人間の、知的作用を営む能力。
②比較・抽象・概念化・判断・推理などの機能によって、感覚的所与を認識にまでつくりあげる精神的能力。
という意味です。
「悟性」は、自分の理解した諸事実などに基づいて、論理的に物事を判断する能力をいいます。
対して「知性」は、物事を知り、考え、判断する能力をいうので、「知性」で得た事実に基づいて、論理的に考える能力が「悟性」だといえます。