圧巻の読み方・意味とは?(類義語)
【二字熟語】
圧巻
【読み方】
あっかん
【意味】
書物の中で最もすぐれた部分。他にぬきんでた詩文。転じて、全体の中で最もすぐれた部分。
何かの中で一番目立って、すごいところを指すんやな。これは、全体の中で一番注目すべきところを示す表現やな。
【語源・由来】
「巻」は昔、中国で官吏登用試験の答案。最優等のものを一番上に乗せたのに基づく。
【類義語】
見どころ、見せ場、山場、ハイライト、クライマックス、佳境、さわり
圧巻(あっかん)の解説
「圧巻」という言葉は、もともと中国の昔の試験で、最も優秀な答案が一番上に置かれていたことから来ていて、書物や物語の中で最も優れた部分、もしくは全体の中で最も卓越した、見事な部分を指すんだよ。
つまり、何かの中で特にすごいと思わせる部分、一番感動的な瞬間、あるいは一番印象的なシーンなんかを「圧巻」と呼ぶんだ。
例えば、「恋人との別離の場面は圧巻だ」というときは、その場面がドラマや映画などの中で特に感動的で、見る人の心をつかむ強烈な場面、つまり一番のハイライトという意味になるよ。
この言葉は、本当にすばらしいもの、特別なものを強調するために使われることが多いんだ。
圧巻(あっかん)の使い方
圧巻(あっかん)の例文
- その記事は圧巻だった。
- 終楽章のカデンツァの部分が圧巻だった。
- この舞台の戦いのシーンは圧巻だ。
- 映画のラストシーンは圧巻だった。
- この水族館は、トンネルになっている水槽が圧巻です。
圧巻の文学作品などの用例
- ・・・人生そのものに関して圧巻であった。昔、宇野浩二が書いた小説に、菊・・・ 宮本百合子「五〇年代の文学とそこにある問題」
- ・・・中世の騎士伝説の中で圧巻的なエピソードだと思う。騎士達は礼儀正し・・・ 宮本百合子「私たちの建設」
- ・・・中でも圧巻だと思ったのは、雪の景色であった。朝、戸をあけて見ると・・・ 和辻哲郎「京の四季」
「圧巻」と「圧倒」の違いは?誤用に注意!
「圧巻」に似た言葉に「圧倒」があります。
「圧倒」は
①押し倒すこと。
②段違いの力で他を押さえつけること。
という意味です。
多く、「圧倒される」という形で「すぐれた力や威力を見せつけられて、驚きや感動を覚える」という意味で用いられます。
「圧巻」・・・「最もすぐれた部分」
「圧倒」・・・「かけはなれてすぐれた力や威力に、驚き感動する」
「圧巻」は作品などの中で一番いい部分を意味し、「圧倒」はほかの作品よりすぐれているというニュアンスで使われます。
今では、全体の中で最もすぐれた部分を指す言葉として使われるよ。
つまり、何かの中で最も印象的で素晴らしい部分を指すんだ。
もしくは、自分の力を見せつけて、他人を恐れさせることもいうんやな。まあ、何かすごい力で、他のものを圧倒的に凌駕(りょうが)する状態やな。
まれに、インターネット上で「圧巻」と「圧倒」の意味を混同し、
❌「圧巻の勝利だった。」
⭕「圧倒的な勝利だった。」
という間違いをしていることがあります。「圧巻」はあるものの中で最もすぐれた部分をいうので、他のものとは比べる意味はありません。この場合「圧倒的な勝利」という表現が正解になります。
❌「ラストは圧倒の演技だった。」
⭕「ラストは圧巻の演技だった。」
この場合、「ラストの演技には圧倒された。」とすればラストの演技に感動したという意味になり正しい使い方になります。また、「彼の演技は圧倒的だった。」とすれば、他の選手よりすぐれているという意味になり、正しい使い方になります。
しかし今では、全体の中で最もすぐれた、出色の部分を指すようになったんだよ。