読み方で悩みやすい漢字の一つに、「現身」があります。
Q「現身」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「うつしみ」
- 「げんしん」
- 「うつしみ」と「げんしん」両方とも
このページでは、悩みやすい「現身」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「現身」の読み方は、「うつしみ」?「げんしん」?
現身の正しい読み方は、「うつしみ」「げんしん」どちらなのでしょうか。
漢字から察すると「げんしん」はありそうですが、「うつしみ」にも聞き覚えはありそうですね。
「現」の音読みは「ゲン」、訓読みは「あらわ(す・れる)」表外読みとして「うつつ」となります。
一方「身」の音読みは「シン」、訓読みは「み」表外読みとして「みずか(ら)」となります。
このことから「げんしん」は正しそうですが、「うつしみ」はどうなのでしょう。
さて、結論を言ってしまうと、現身の読み方は「うつしみ」「げんしん」のどちらを使っても間違いではありません。
つまり、答えとしては3つ目の「両方とも」ということになります。
ただ、実際には現身は「うつしみ」と読むのが一般的となるようです。
「げんしん」は理解できるものの、何故現身を「うつしみ」と読むのでしょうか?
実はこれ、熟字を訓読みにする熟字訓と呼ばれるものです。
訓読みが漢字を日本語として意味が通じるように読ませるように、熟字訓とは熟語に対して日本語の意味が通じる読み方で読ませたものです。
簡単にいってしまえば、一つの熟語に対して訓読みをしているということですね。
他にも今日(きょう)明日(あした)昨日(きのう)等様々な熟字訓があります。
今回の現身は「げんしん」とも読みますが、これの持つ意味が日本語の「うつしみ」と同じために、そう読まれるようになりました。
とはいえ、現を「うつつ」と読むのでそのまま「うつしみ」と読めなくもありませんね。
「現身」の意味は、「うつしみ」も「げんしん」も同じ
現身の意味としては、「現世の人の身。生きている身」となります。
ただ、「うつしみ」は近世以後に登場した比較的新しい言葉のようです。
現身を用いた例文としては「今のこの現身は仮の姿だ」等があります。
まとめ
- 現身の読み方は「うつしみ」「げんしん」のどちらも正しい。
- 一般的には「うつしみ」と読まれることが多い。
- 現身は「現世の人の身。生きている身」を意味する。