【二字熟語】
権化
【読み方】
ごんげ
【意味】
①神仏が衆生を救済するため、権(かり)に姿をかえてこの世に現れること。また、その権の姿。権現(ごんげん)。
②ある抽象的特質を具体化または類型化したもの。化身。「美(悪)の権化」
【語源・由来】
元々は、「神仏が衆生を救済するため、権(かり)に姿をかえてこの世に現れること。また、その権の姿。」という意味だったが、転じて、ある抽象的特質を具体化または類型化したものという意味になった。
【類義語】
化身、変化、権現、体現、擬人、具現、人格化、具体化
【対義語】
実化(じっけ)
権化(ごんげ)の使い方
ともこちゃんはテストで満点だったの?叡智の権化だね。
そこまでじゃないわよ。
今回のテストはハイレベルな問題だったらしいよ。
普段からちゃんと授業を聞いていれば解けるレベルだったわよ。
権化(ごんげ)の例文
- 健太くんは非情の権化のような人だ。
- ともこちゃんはまさに美の権化です。
- 金の権化というか金の亡者というか、とにかく金が好きな男でした。
- 子供の前では良心の権化のようになる。
- 健太くんは好奇心の権化のような少年で、なんにでも首を突っ込む。
「権化」と「化身」の違いは?
「権化」に似た意味の言葉に「化身」があります。
「化身」の意味は
①仏語。衆生(しゅじょう)を救うため神仏が形をかえて人間としてこの世に現れること。また、そのもの。生れ変り。
②抽象的なものが形をとって現れたもの。
③神仏・異類・鬼畜などが人間の姿をとって現れたもの。また、歌舞伎で、これに扮するときの隈取 (くまどり)。
両語の意味はほぼ同義ですが、
「権化」と「化身」の違いは③の「異類・鬼畜などが人間の姿をとって現れたもの。また、歌舞伎で、これに扮するときの隈取 (くまどり)」という意味です。
「権化」と「化身」は意味や使い方は同じですが、「化身」にはこのような意味も含まれます。
「権化」は「悪の権化」という表現が有名で、悪い意味で用いる語と誤解されがちですが、「権化」「化身」ともに悪い意味でもよい意味でも用います。