【二字熟語】
背反
「悖反」とも書く。
【読み方】はいはん
【意味】
①相いれないこと。食い違うこと。
②従うべきものにそむくこと。違背。
【語源・由来】
「背」は(「悖 (はい) 」の代用字)「道理に外れる。もとる。」
「反」は「そむく。さからう。」
【類義語】
背馳、背
く
背反(はいはん)の使い方
命令に背反する後輩が多くて困るよ。
昔は、先輩の言うことは絶対だったけどね。
言うことを聞かなくても練習に励んでくれればいいんだけど、練習すらしないんだよね。
それは強制退部ね。
背反(はいはん)の例文
- 大臣の命令が下ったら、背反は許されない。
- 植民地だからと現地住民を軽んじると背反されやすい。
- 時として、実用性と美が背反することがある。
- だれはだれの味方で、どうして、何によって、その関係をつづけているかということも、だれとだれとはどういう点で一致し、どういう点で背反しているかということも、知っていた。(トルストイ、アンナ・カレーニナ)
- 神の恵みによって世襲権に執着してる旧党の者らに言わすれば、革命は背反の権利から生ずるものであるから、人はまた革命に背反する権利をも持っていることになる。(ヴィクトル・ユゴー、レミゼラブル)
「二律背反」とは?
「背反」を用いた哲学用語に「二律背反(にりつはいはん)」があります。
「二律背反」とは、「二つの相反する命題や推論が、同じだけの合理性・妥当性をもっていること。また、自己矛盾に陥ること。」という意味です。
ドイツ語の「アンチノミー」の訳です。
「aが真だったらbは偽にせ」といった同時には存在し得ない二つの事柄について、aが真である可能性とbのそれとが同じであることをいいます。
【例文】
- 科学は、人間を幸せにも不幸にもする二律背反の特性を持つ。
- 大きく変化するとそれまでのファンが離れる可能性があるが、現状を守るだけでは飽きられる、そんな進化と守勢の二律背反に挑んだ商品開発をする。
- 珈琲にとって、コクとキレは二律背反するものだ。