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「騎虎」の意味と使い方や例文!「騎虎の勢い」とは?(類義語)

騎虎の読み方・意味とは?(類義語)

意味

【二字熟語】
騎虎

【読み方】
きこ

【意味】
虎 (とら) の背に乗ること。

二字熟語の博士
「騎虎」という言葉は、虎の背に乗ってしまうことから、一度始めたことを途中で止めるのが難しい、という状況を表すんだよ。
助手ねこ
ええっ、つまり、トラの背中に乗っちゃったら、降りるのが怖くて難しいみたいなことやな。

始めてしまったことは、途中でやめるのが大変やってことやろ?なんやかんやで、考えるより先に行動しちゃったら、後が大変やなってことを教えてくれてるんやな。

【語源・由来】
「騎」は「馬に乗る。またがって乗る。」
「虎」は「トラ。」

【類義語】
(騎虎の勢いの類義語)乗り掛かった船

騎虎(きこ)の解説

カンタン!解説
解説

「騎虎」という言葉はね、直訳すると虎の背に乗ることなんだよ。

たとえばね、一度虎の背に乗ってしまったら簡単に降りることはできないよね。降りたら、その虎に襲われるかもしれないし、逆に乗っていても危険で心配だよね。そこから、この言葉は「一度始めたことや決断したことから、簡単には引き返せない困難な状況」という意味で使われることが多いんだ。

例えば、「義貞を追っかけて行った味方が、騎虎きこにまかせて都へ乱入などしたら始末におえぬ」〈私本太平記・吉川英治〉という文章は、味方たちが一度都に乱入してしまったら、もう戻れない、やめることができないという意味で「騎虎」という言葉を使っているんだ。

だから、「騎虎」という言葉は、始めてしまったら中途半端にはやめられない、途中で引き返すことができないような状況や決断を表しているんだね。

騎虎(きこ)の使い方

ともこ
健太くんが生徒会長になるとはびっくりだわ。
健太
騎虎の勢いでね。任期終了まで努力するしかないね。
ともこ
人前に出るのが苦手なのにね。
健太
これを機に人見知りをなおしてみるよ。

騎虎(きこ)の例文

例文
  1. 騎虎の勢いで止められない。
  2. 騎虎の勢いで発言したが、すぐに後悔した。
  3. 騎虎の勢を駆って一路都を衝く。
  4. 騎虎の勢いで苦手なジェットコースターに乗ることになった。
  5. 騎虎の勢いを食い止める。

騎虎の文学作品などの用例

  1. ・・・辷り出て、それからは騎虎の勢で、僕にね、五十円あるんだ、故郷の姉・・・ 太宰治老ハイデルベルヒ

  2. ・・・「言ってみ給え。」騎虎の勢である。「言ってみたって、どうにもなら・・・ 太宰治乞食学生

  3. ・・・まわりして来るぜ。」騎虎の勢いである。「僕も乗ろう。」動きはじめ・・・ 太宰治花火

「騎虎の勢い」とは?

騎虎」を用いた表現の一つに「騎虎の勢い(きこのいきおい)」があります。

騎虎の勢い」とは、虎に乗った者は途中で降りると虎に食われてしまうので降りられないように、やりかけた物事を、行きがかり上途中でやめることができなくなることのたとえという意味です。

二字熟語の博士
「騎虎の勢い」という言葉は、やり始めたことが途中でやめられなくなってしまった状況を表現しているんだ。

もともとは虎に乗った人が途中で降りると危ない、つまり虎に食べられてしまうから降りられないという意味から来ているんだ。

助手ねこ
あ、それならわかりやすいな。つまり、「始めちゃったからもう引き返せへん!」って感じやな。虎に乗ってみたけど、降りたら食べられちゃうから、仕方なくそのまま乗り続けるしかない、っていうわけやろ。

ようするに、始めたことは最後までやらなアカンってことなんやな。なるほど、面白い比喩やね!

出典は「隋書」独孤皇后伝からです。
勢いに乗るの意で使うのは誤りです。

【例文】
・もはや騎虎の勢いだ。最期までがんばろう。
騎虎の勢いで、新会社を設立することになった。
・こうなったら騎虎の勢いだ。なんとかやり遂げよう。