読み方で悩みやすい漢字の一つに、「木屑」があります。
Q「木屑」、あなたはこの二字熟語を何と読みますか?
次の3択から選んでみて下さい。
- 「きくず」
- 「こけら」
- 「きくず」と「こけら」両方とも
このページでは、悩みやすい「木屑」の読み方や意味について詳しく解説していきます。
「木屑」の読み方は、「きくず」?「こけら」?
木屑の正しい読み方は、「きくず」「こけら」どちらなのでしょうか。
漢字から察すると「きくず」の気もしますが、「こけら」にも聞き覚えがありそうですね。
「木」の音読みは「ボク」「モク」、訓読みは「き」「こ」となります。
一方「屑」の音読みは「セツ」、訓読みは「いさぎよ(い)」「くず」となります。
このことから「きくず」は正しそうですが「こけら」はどうなのでしょう。
結論を言ってしまうと、木屑の読み方は「きくず」「こけら」どちらも間違いではありません。
つまり、答えとしては3つ目の「両方とも」ということになります。
ただし、「きくず」と「こけら」それぞれで読む場合には、意味合いが異なります。
また、木屑はこれ以外にも「こくず」「こつ」と読むこともできます。
さて「きくず」は理解できるものの、何故木屑を「こけら」と読むのでしょうか?
実はこれ、熟字を訓読みにする熟字訓と呼ばれるものです。
訓読みが漢字を日本語として意味が通じるように読ませるように、熟字訓とは熟語に対して日本語の意味が通じる読み方で読ませたものです。
簡単にいってしまえば、一つの熟語に対して訓読みをしているということですね。
他にも今日(きょう)明日(あした)昨日(きのう)等様々な熟字訓があります。
今回の木屑は「きくず」とも読みますが、これの持つ意味が日本語の「こけら」と近かったために、そう読まれるようになりました。
「木屑」の意味は、「きくず」と「こけら」で違う!
木屑の意味としては「きくず」と「こけら」でそれぞれ異なります。
まず「きくず」ですが、「木を切ったり削ったりした際にできる屑」の意味となります。
一方「こけら」の場合には、「木材を削る時にできる木の細片。木材を細長く削り取った板」「杮板(こけらいたの略)」の意味となります。
「きくず」と「こけら」は、非常に似てはいますが、このような違いがあるわけです。
また、前述した「こくず」「こつ」は「きくず」と同じ意味です。
木屑を使った例文として「日曜大工の後は木屑(きくず)が出て困る」「劇場オープンのこけら落としが行われた」などがあります。
まとめ
- 木屑の読み方は「きくず」「こけら」どちらも正しい。
- 「きくず」と「こけら」では、それぞれ意味が異なる。
- 「きくず」は「木を切ったり削ったりした際にできる屑」の意である。
- 「こけら」は「木材を削る時にできる木の細片。木材を細長く削り取った板」「杮板(こけらいたの略)」の意である。