【二字熟語】
私儀
【読み方】
わたくしぎ
【意味】
私のことについて言えば。
主に改まった文章中で。
【語源・由来】
「私」は「公でない、個人の立場。自分一身に関すること。わたくし。」
「儀」は、人を示す体言に添えて、それについて言えばの意。
【類義語】
私事
私儀(わたくしぎ)の使い方
先生が学校をやめるって本当?
私儀、病気療養のため休職いたしたくって校長先生に伝えているのを聞いたよ。
休職ってことは、また戻ってくるのよね。
そうだね。早く元気になってっ戻ってこられると良いよね。
私儀(わたくしぎ)の例文
- 私儀、弟の身でありながら世継ぎとなったことを、年来、心に恥じ申しておりました。(沖方丁、光圀伝)
- おれは早速辞表を書こうと思ったが、何と書いていいか分らないから、私儀都合有之辞職の上東京へ帰り申候につき左様御承知被下度候以上とかいて校長宛にして郵便で出した。(夏目漱石、坊ちゃん)
- 「私儀今般貴家御離縁に相成、実父より養育料差出候については、今後とも互に不実不人情に相成ざるよう心掛たくと存候」 健三には意味も論理も能く解らなかった。(夏目漱石、道草)
- 私儀、このたび結婚式をあげることになりました。
- 私儀、父に代わって社長に就任いたしました。
「私儀」と「私事」の違いは?
「私儀」に似ている語に「私事(わたくしごと)」があります。
「私事」とは、
①自分一身に関した事柄。公でないこと。しじ。
②ないしょごと。密事。
という意味です。
「私儀」も「私事」も、私個人のことについてという意味です。
しかし「私儀」は、あらたまった文章で使われることが多い点が違います。
また「私事」には、密事という意味がある点が「私儀」と違います。