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「奈落」の意味と使い方や例文!「地獄」との違いは?(類義語・対義語)

【二字熟語】
奈落

「那落」「捺落」とも書く。

【読み方】
ならく

【意味】
①地獄。また、地獄に落ちること。
②物事の最後の所。どん底。特に、これ以上はない、ひどい境遇。
③(奈落)劇場で、舞台や花道の床下。地下室となっていて、回り舞台やせり出しの装置があり、通路にもなる。

【語源・由来】
(梵)narakaの音写「奈落迦」の転。

【類義語】
地獄

【対義語】
極楽、天国

奈落(ならく)の使い方

健太
幸せの絶頂から奈落に突き落とされたよ。
ともこ
何があったの?
健太
彼女に振られたんだ。
ともこ
その程度のことなら、すぐに奈落の底からはい上がれるわよ。

奈落(ならく)の例文

  1. 受験で奈落の底に突き落とされた。
  2. 彼はすべてを失って、奈落に沈んだ。
  3. 人生をあきらめることなく、歯を食いしばって奈落の底からはい上がってきた。
  4. 奈落の底に突き落されたかのような衝撃を受けた。
  5. 国民生活が奈落の底に落ちてしまうような問題は今のところない。

「奈落」と「地獄」の違いは?

奈落」に似ている語に「地獄(じごく)」があります。

地獄」とは、梵語「naraka(那落迦)」、「niraya(泥黎)」の訳で、地下の牢獄 の意です。
①仏語。六道の一。この世で悪いことをした者が死後に行って苦しみを受けるという所。閻魔 (えんま) 大王が生前の罪業を裁き、獄卒の鬼が刑罰を加えるという。八熱地獄・八寒地獄などがある。地獄道。奈落 (ならく) 。
②キリスト教で、神の教えに背いた者、罪を犯して悔い改めない魂が陥って永遠の苦を受け、救われないという世界
③イスラム教で、この世の終末に復活して受ける審判によって、不信仰者や不正を行った者が永劫の罰を受ける所。罪人であっても信仰者はやがて天国に入れられる。ジャハンナム。
④非常な苦しみをもたらす状態・境遇のたとえ。
⑤火山の、絶えず噴煙が噴き出している所。また、温泉地で絶えず煙や湯気が立ち、熱湯の噴き出ている所。
⑥劇場の舞台の床下。奈落 (ならく) 。
⑦下等の売春婦。私娼 (ししょう) 。

という意味です。

奈落」も「地獄」も、悪業をなした者が死後に苦しみを受けるという所という意味があります。

しかし「奈落」は、仏教で使われる言葉ですが、「地獄」は、仏教でもキリスト教でも使われる点がtがいます。

また「地獄」は、「受験地獄」のように、苦しみを受ける所、非常にひどい状態などの比喩としても使われる点も「奈落」と違います。

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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)



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