『北史』は、中国の二十四史の一つで、北朝の歴史を詳細に記した歴史書です。唐代の李延寿によって659年に完成されました。
この書は、李大師の遺志を継ぎ、彼の子である李延寿が執筆を完成させました。
全体は100巻から構成されており、その内訳は本紀12巻と列伝88巻です。
記述の対象となるのは、北朝時代にあたる北魏・西魏・東魏・北斉・北周・隋の各王朝の歴史です。
『北史』は、詔令や上奏文を大幅に削除し、叙事の記述に焦点を当てています。そのため、総記述量は『魏書』・『北斉書』・『周書』・『隋書』の4つの断代史を合わせた量の約半分ですが、それらの書には含まれていない独自の記述も多く存在します。
特に、『魏書』で触れられなかった西魏の人物に関する部分が増補されています。
その公正かつ詳密な記述のため、『北史』は高い史料的価値を持っています。