『新五代史』(しんごだいし)は、中国の正史の一つで、北宋時代の欧陽修によって書かれました。元々は『五代史記』という名称で、私撰として書かれていましたが、後に正史として承認され、『新五代史』と改称されました。
この史書は74巻から成り立っており、後梁、後唐、後晋、後漢、後周の五代王朝の歴史を記述しています。
元々、薛居正による『旧五代史』という史書が存在していましたが、欧陽修はこの史書を基に大義名分を明らかにするために書き改めました。
欧陽修の史観に基づくこの史書は、事実誤認や著者の主観が強く入っているとの評価もあり、山崎覚士からは荊南節度使をあたかも別の国家のように記述して「十国」としたのは、欧陽修個人の史観に過ぎないとの指摘もされています。
現代の歴史学会では、『新五代史』は『旧五代史』に比べて良質な史料とは言い難いとの評価がある一方で、その独特な史観や編集には独創性が認められています。