『隋書』は、中国の正史『二十四史』の一部として知られる史書で、全85巻から成り立っています。
唐の太宗の勅命により、魏徴、長孫無忌らが編纂を始め、636年に「帝紀」5巻および「列伝」50巻が完成しました。
実際の執筆には、顔師古や孔穎達らが関わっています。
当初は隋王朝の歴史だけを取り扱っていましたが、656年には太宗の命により、于志寧らが編纂した「経籍志」など、梁、陳、北斉、北周、隋の5王朝に関する各種制度の記録である「志」30巻(通称『五代史志』)が編入され、現在の形になりました。
この書は隋代や南北朝後半の制度、経済、学芸に関する重要な情報源として利用されています。
特筆すべきは、『日本書紀』には記されていない遣隋使の記事が「東夷伝・倭国条」に記載されている点です。