『朱子語類』は、中国の儒学における重要な思想書で、全140巻から成り立っています。
この書は、宋代の儒学者、朱熹とその門下生との間での問答を記録したもので、朱熹の死後にその門人、黎靖徳によって1270年に編纂されました。
『朱子語類』は、朱熹の独自の思想や教え、性理学に関する理解を深めるための貴重な一次資料として知られています。
書名に「語類」とあるように、実際の語り言葉としてのやりとりが記録されているため、整った文章というよりは、日常の会話や議論の様子が垣間見えます。この点が、本書の特色として挙げられます。
以前にも、朱熹の言葉を集めたさまざまな書物が存在していましたが、黎靖徳はこれらの資料を基に『朱子語類』を編纂し、それらの内容を体系的にまとめ上げました。そのため、朱子学を理解する上での基本的なテキストとして、また史学や考証学の観点からも非常に価値が高いとされています。
日本においても、この書は高く評価されており、特に江戸時代には山崎闇斎の学派によって尊重されていました。