『貞観政要』は、中国唐代の雑史書籍で、太宗とその臣下間の政治に関する論議や言行を記録しています。この書は、呉兢によって編纂され、全10巻、40篇から成り立っています。
題名の「貞観」は太宗の在位年号を示し、「政要」は「政治の要諦」を意味します。主な内容は太宗の治世、特に「貞観の治」と称される平和で繁栄した時代の政治的要点を、太宗と彼の重臣たちとの問答を通して示しています。太宗は臣下の直言を重視し、その忠告や進言を真摯に受け入れる姿勢が特徴でした。
中国の伝統的な帝王学の教科書としての側面を持つこの書は、歴代の中国の皇帝や政治家、そして日本の天皇や貴族たちにも広く読まれました。特に日本では、平安時代から多くの古写本が伝わり、重要な政治家や武将に愛読されてきました。
太宗は質素倹約を重んじ、臣下たちの進言を歓迎し、その結果、国や国民の繁栄を実現しました。このような太宗の政治哲学や行動は、儒教の教えに基づくものであり、太宗や彼の臣下たちの誠実な取り組みが詳細に記されています。
『貞観政要』は、治国安民の理想や帝王学の基準としての位置づけがされており、中国や日本をはじめとする多くの国々で歴史的に高く評価されてきました。