「火を以て火を救う」の意味(出典・語源由来・類義語)
【ことわざ】
火を以て火を救う
【読み方】
ひをもってひをすくう
【意味】
害悪を取り除くためにしたことが、かえってそれを助長してしまうこと。
実際のところ、問題解決の手段が問題を大きくすることもあるって、よく気をつけなアカンことやね。解決策を選ぶときは、その方法が本当に適切かどうか、しっかり考えないとあかんってことや。
【出典】
「荘子」
弟子の顔回が衛の君主の暴政を諫めようとしたのを思いとどまるよう説得した孔子の言葉。
【語源由来】
火を消すのに水でなく火を使う意から。
【類義語】
・火を救うに薪を投ず
「火を以て火を救う」の解説
「火を以て火を救う」という表現は、「荘子」に由来するもので、文字通りには火で火事を消そうとするという意味から来ているんだ。これは、一見すると逆効果であるかのような方法で問題を解決しようとして、かえってその問題を悪化させる状況を描写しているんだよ。つまり、害悪を取り除こうとする努力が、結果的にその害悪を助長してしまうという皮肉な結果を示しているんだ。
たとえば、怒っている人にさらに強く怒って対応すると、相手もさらに怒りを強めるだけで、問題は解決せず、事態はより複雑になることがあるんだ。これは「火を以て火を救う」の典型的な例で、問題解決の方法が逆効果に働いてしまうことを教えてくれているんだ。
この言葉から学べることは、問題に対処する際には、その手段が問題そのものを悪化させないよう慎重に選ばなければならないということだね。また、状況を冷静に分析し、直感的や反射的な反応ではなく、実際に効果的な解決策を見つけるための洞察と創造性が求められるよ。短絡的な解決策が常に最良の結果をもたらすわけではなく、時には問題の本質をより深く理解することが必要なんだ。
「火を以て火を救う」の使い方
「火を以て火を救う」の例文
- 経済の不況を打開しようとして、無理な政策を施行するが、結果的には逆効果で市場が更に混乱するというのは、まさに火を以て火を救うだ。
- 人気が落ちているテレビ番組に、炎上するような話題を取り入れて視聴率を回復しようとしたが、それがかえって視聴者からの反発を招いてしまい、火を以て火を救う状況になった。
- チーム内の対立を解消するために厳しいルールを設けたが、それがさらにメンバー間の溝を深めてしまい、火を以て火を救うという事態になった。
- 傷口が痛むのを抑えるために、強い鎮痛剤を過剰に使用した結果、体に悪影響を及ぼすことになり、これも火を以て火を救うの一例である。
- 会社の売り上げを伸ばそうと、過度の広告キャンペーンを行ったが、広告費用がかさみ結局は赤字が拡大することに。これは典型的な火を以て火を救うの失敗だ。
つまり、害悪を取り除くためにそれに類似した方法を使うと、結果としてその問題が助長されることになるという意味を含んでいる言葉なんだ。