「皮裏の陽秋」の意味(出典)
【ことわざ】
皮裏の陽秋
【読み方】
ひりのようしゅう
【意味】
心中で是非善悪をきびしく判断していること。
見た目ではわからんけど、その人は内心でえらい厳しい判断をしているってわけや。外には穏やかに見えても、内心ではいろんなことを考えてる人って、実際にはけっこうおるんやろなあ。
【出典】
「世説新語」賞誉
「皮裏の陽秋」の解説
「皮裏の陽秋」という表現は、「世説新語」から来ている言葉で、外見には表さずに、内心では事の是非や善悪を厳しく判断している状態を指しているんだ。この「陽秋」とは、春秋左氏伝の著者である左丘明のことを指し、彼は歴史上の出来事に対して厳しい評価を下したことで知られているよ。つまり、「皮裏の陽秋」は、人が外には何も感情を見せず、静かに見えるけれど、内心ではしっかりと物事の良し悪しを判断していることを言うんだね。
たとえば、何かの議論があったときに、ある人が黙って聞いているだけで、積極的に意見を言わないことがあるよね。でも、その人が黙っているからといって、何も考えていないわけではなく、実はその議論の内容を内心で深く考え、自分なりの厳しい評価をしているかもしれない。そのような状況が「皮裏の陽秋」にあたるんだ。
この言葉からは、人の外見や行動だけでその人の思考や判断を決めつけてはいけないという教訓を得ることができるね。見た目は静かでも、内心では深い思考や感情を持っている人もいるということを理解し、他人の内面を尊重することの大切さを思い出させてくれる言葉なんだよ。
「皮裏の陽秋」の使い方
「皮裏の陽秋」の例文
- 社長は常に笑顔で社員に接しているが、皮裏の陽秋で、仕事の成果には非常に厳しい基準を持っている。
- 彼は表面上は友好的だが、実は皮裏の陽秋で、人の行動を深く観察し、心の中で厳しく評価している。
- あの教師は生徒たちに優しいが、皮裏の陽秋の姿勢で、彼らの学業成績と態度を厳しく見ている。
- 彼女は会議中、皮裏の陽秋を保ち、自分の意見を控えめに述べたが、後でその提案が最も賢明であることが証明された。
- 政治家として彼は常に公正を装っているが、皮裏の陽秋で、同僚の提案を秘かに評価し、自らの戦略を練っている。
つまり、心の中では深く物事を見極めていても、その判断を表に出さず、静かに自己の中で処理している状態を指している言葉なんだ。