「歯亡び舌存す」の意味(出典・語源由来・故事・類義語)
【ことわざ】
歯亡び舌存す
【読み方】
はほろびしたそんす
【意味】
剛強なものはかえって早く滅び、柔軟なものが後まで生き残るというたとえ。
剛強さだけじゃなくて、状況に合わせて柔軟に対応できることが長生きの秘訣やってことやな。ただ強いだけよりも、柔軟に変われることがもっと大事やってことや。強さだけじゃなくて、柔軟性も大切にするんやね。
【出典】
「説苑」
【語源由来】
硬い歯が柔らかい舌より先に抜け落ち、舌はいつまでも残り働き続けるという意から。
【故事】
老子が友人の常摐を見舞ったとき、彼の歯が抜けていたが舌が残っていた。老子は「舌が残っているのは柔らかなためで、歯がなくなったのは硬いためだ」と言うと常摐は感動し「その通り。天下の全てはその言葉に言い尽される」と言った。
【類義語】
・柔能く剛を制す
・柳に雪折れなし
「歯亡び舌存す」の解説
「歯亡び舌存す」という言葉は、中国の古い故事から来ているんだよ。この話は、「説苑‐敬慎」という作品に出てくるんだけど、老子が友人の常摐の病気を見舞った時の話なんだ。
この故事では、老子が常の歯が抜け落ちているのを見て、舌が残っているのはその柔らかさのためで、歯が抜け落ちたのは硬さのためだと言ったんだよ。これは、「剛強なものはかえって早く滅び、柔軟なものが後まで生き残る」という意味を持っているんだ。
例えばね、木の枝を考えてみよう。すごく硬い枝は、風が強く吹くと折れやすいけど、柔らかくてしなやかな枝は風に揺れながらも折れにくいんだ。これと同じで、「歯亡び舌存す」は、硬くて剛強なものよりも、柔軟で適応できるものの方が長く生き残ることができるってことを教えているんだね。
この故事は、人間の性格や社会での生き方にも当てはまるよ。硬くて頑固な態度よりも、柔軟で状況に合わせて変わることができる態度の方が、長くうまくやっていくことができるという教えなんだよ。
「歯亡び舌存す」の使い方
「歯亡び舌存す」の例文
- 昨晩の地震では歯亡び舌存すように、コンクリートの家が倒壊し木造の家が無事だった。
- 筋肉質で体脂肪率が低いと強そうだが、歯亡び舌存すように風邪に弱くなる。
- 昔のまま変わらず残したいと考える老舗企業は倒産し、歯亡び舌存すみたいに柔軟な新興企業は生き残る。
- 歯亡び舌存すから、柳の枝のようにしなやかにいきる。
- 真面目で頭がかたい人は、歯亡び舌存すといように、心がポキッと折れやすいものだ。
つまり、剛強さだけではなく、柔軟性や適応力も大切であるという教訓を含んでいるんだ。