「小人窮すればここに濫す」の意味(出典・故事・類義語)
【ことわざ】
小人窮すればここに濫す
【読み方】
しょうじんきゅうすればここにらんす
【意味】
徳のないつまらない人間は行き詰まると不正に手を染めてしまう。
追い詰められた小人物は、適切な判断を下せずに不適切な行動を取ることがあるってことやね。困難な状況での人の行動の変化や危険性を示してるんや。
【出典】
「論語」
【故事】
孔子と弟子たちが陳の国で誤解から捕らえられ食料の補給も途絶え、弟子たちは飢えと疲労で起き上がることもできなかった。弟子の子路が孔子に「君子でも困り果てることがあるのか」と聞くと、孔子は「君子でも無論窮することがある。しかし小人は窮すると、取り乱し何でもしたい放題のことをするものだ」と君子と小人の違いをいったという。
【類義語】
・逃ぐる者道を択ばず
・鼠窮して猫を噛み、人貧しうして盗す
「小人窮すればここに濫す」の解説
「小人窮すればここに濫す」という言葉は、徳や教養がない人(小人)が行き詰まると、取り乱して無分別な行動に出てしまうことを表しているんだよ。この表現は、困難な状況に直面したときに、品格の低い人が良くない判断や行動を取りがちであることを示しているんだね。
「窮すれば濫す」とも言われるこの言葉は、逆境に立たされた際の人の行動が、その人の本質を現すという意味も含んでいるよ。「小人」というのは、道徳的な立場や教養が不足している人を指し、「濫す」とは取り乱すことを意味しているんだ。
たとえば、プレッシャーや困難な状況に直面した時に、落ち着きを失って悪い選択をしたり、無責任な行動をとったりするような人の様子が「小人窮すればここに濫す」と表現されることがあるんだね。この言葉は、困難な時に冷静さを保つことの重要性と、品格の高い行動を取ることの価値を教えてくれているんだ。逆境にあっても正しい判断を下すことが、真の人間性を示すという教訓が含まれているんだよ。
「小人窮すればここに濫す」の使い方
「小人窮すればここに濫す」の例文
- 非常時にその人の本性が分かるもので、小人窮すればここに濫すという。
- 卑しいものは小人窮すればここに濫すというから、困窮する人が増えている今、民度を高めるか警備強化で治安をよくするしかない。
- 小人窮すればここに濫すといい、お金がある時は人格者を装うも、生活が苦しくなると人が変わったようになるものだ。
- お金に困った健太くんは野菜泥棒をしたが、小人窮すればここに濫すというやつだ。
- 景気悪化で不正を働く者が増加し、小人窮すればここに濫すという感じだが被害者のことを思うと同情はできない。
小人物が追い詰められると、道徳的な範囲を逸脱した行動を取ることを示しているんだ。