【ことわざ】
蝶よ花よ
【読み方】
ちょうよはなよ
【意味】
親が子供をこの上なく可愛がり、大切に育てるさま。
昔は特に女児に対して使うものでしたが、最近では男児に対しても使います。江戸時代の川柳(せんりゅう)に「蝶よ花よと夢を見る十九年」というものがあります。十九才は女性の大厄(たいやく)ですから、それを経るまでの親の気持ちが痛いほど分かります。
【語源・由来】
人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)などの演目に「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」というものがあり、その中で「こなたの背丈(せたけ)の延(のび)るのを蝶よ花よと楽し見て」という台詞(せりふ)があります。
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「蝶よ花よ」の使い方

ともちゃん。新しい靴だね。

そうよ。おばあちゃんに買ってもらったの。

女の子はいいな。蝶よ花よと育てられて。・・・ほんとうは強いのに。

なにかいった?
「蝶よ花よ」の例文
- 蝶よ花よと育てられて今では元気に一人前に就職して、まずは一安心です。
- 戦国時代ならまだしも、蝶よ花よと社会から離隔してまで過保護に育てるのはいかがなものかと思います。
- 一生懸命子供のために働いて、蝶よ花よと育ててきましたが、当の本人達はどう思っているのでしょうか。
- 小さい頃は、蝶よ花よと可愛がられました。今では良い思い出です。
まとめ
「蝶よ花よと 育てた娘 今日は他人の 手に渡す」、岩手県雫石町(しずくいしちょう)などに残る南部長持唄(なんぶながもちうた)の一節です。蝶も花も弱々しくて可憐(かれん)なことを表しているのでしょうか、秋田県にも同じような長持唄があり、そこでも「蝶よ花よ」という歌詞が入ります。歌詞の後半には次来るときは孫連れてこいとか、故郷は仮の宿だから先方でしっかりやれよと続きます。いずれにしてもいつの世もお婿さんよりも、花嫁さんが主人公のようです。