「江南の橘、江北に植えれば枳となる」の意味(出典・故事)
【ことわざ】
江南の橘、江北に植えれば枳となる
【読み方】
こうなんのたちばな、こうほくにうえればからたちとなる
【意味】
境遇によって人は性格が変わるということ。
だから、ちゃんと自分に合った環境を見つけることが大切だにゃん!
【出典】
「韓詩外伝」
【故事】
中国春秋時代、楚の国へ使節として来た斉出身の晏子をはずかしめようと、楚王が一人の男を斉の国の盗人に仕立て上げ「斉の国にはこんな盗人がいるのか」と問い詰めた。そこで晏子はこのことわざを出し「彼は斉にいるときは立派な人物だった。それが楚に来たら盗みを働いたのはこの国の土地柄が良くないせいだ」と楚王を逆にやり込めたという故事から。
「江南の橘、江北に植えれば枳となる」の解説
「江南の橘、江北に植えれば枳となる」ということわざは、人の性格や特性が、その環境や条件によって変わってしまうことを示している言葉だよ。言い換えると「淮南の橘淮北に移されて枳となる」とも言われるんだ。
具体的に説明すると、「江南」と「江北」は、揚子江の南側と北側を指しているんだ。そして「橘」は、美味しい果物で、こうじとも呼ばれるもの。一方「枳」は、特に果物をとるためのものじゃなくて、生け垣とかに使われるような木なんだ。
このことわざの背景には、もともと美味しい果物を実らせる「橘」が、環境を変えるとただの木「枳」になってしまうという意味があるんだ。これを人に当てはめると、例えば、ある場所ではすごく活躍している人も、違う場所や環境に移るとその能力を発揮できなくなる、ということを示しているんだよ。
「江南の橘、江北に植えれば枳となる」の使い方
「江南の橘、江北に植えれば枳となる」の例文
- 兄は悪い友人と同じクラスになってから人が変わってしまったが、江南の橘、江北に植えれば枳となるだ。
- 江南の橘、江北に植えれば枳となるというから、子供の教育のことを考え孟母三遷する。
- 文教地区に住んだからといって、江南の橘、江北に植えれば枳となり、良い子に育つとは限らない。
- 江南の橘、江北に植えれば枳となるように、派手な友人の影響を受けて姉は日に日に派手になっていった。
- 人は感化されやすいもので、江南の橘、江北に植えれば枳となる。