「伯兪杖に泣く」の意味(出典・語源由来・故事)
【ことわざ】
伯兪杖に泣く
【読み方】
はくゆつえになく
【意味】
親孝行な子が、親を思う気持ちの厚いこと。
自分を守ってくれたり、育ててくれたりした親が、年取って変わっていくのは、本当に心が痛むよな。親孝行して、感謝の気持ちを忘れへんようにしなあかんね。
【出典】
説苑
【語源由来】
親が年老いたことに気付いた子が、嘆き悲しむことから。
【故事】
中国漢の伯兪は親孝行で、過ちをおかし母にうたれても泣いたことがなかったが、ある日珍しいことに泣くので、母が理由を聞くと、うたれても痛くないのは母が年をとり力が衰えたためであると考えたら悲しくてたまらなくなったと答えた。
「伯兪杖に泣く」の解説
「伯兪杖に泣く」という表現は、『説苑』「建本」に記された、伯兪という人物が母親の衰えを感じて泣いたという故事に基づくことわざなんだ。伯兪は親孝行で知られており、ある時、母親に過ちを罰するために杖(この場合は鞭)で打たれた際、彼は杖の痛みを感じなかったんだ。これは母親が以前ほどの力を持っていない、つまり老いて衰えたことを意味しており、伯兪はその事実に気づいて深く悲しんだんだよ。
このことわざは、親の老いや衰えを自らの経験を通じて実感する瞬間の感動や悲しみを表しているんだ。伯兪が杖で打たれたときに痛みを感じなかったことから、母親がかつて持っていた力や健康がもうないことを悟り、親に対する愛情や哀れみ、そして親孝行の精神を表現したという話なんだ。
「伯兪杖に泣く」は、親の老いや弱りを悲しむ子供の心情を象徴しており、家族の絆や世代間の関係、特に子が親に対して持つべき敬愛や思いやりの深さを強調しているんだ。また、親孝行の重要性や、親に対する感謝と尊敬の気持ちを持つことの大切さを教えてくれる故事としても知られているんだね。
「伯兪杖に泣く」の使い方
「伯兪杖に泣く」の例文
- 小さいころよく背負ってくれた父を逆に背負うようになり、伯兪杖に泣く。
- 母さんの頭髪に白髪が増えた。苦労を掛けてしまったと伯兪杖に泣き、孝行することを誓う。
- 素晴らしい職人だった父のミスが増えたことに気付き、伯兪杖に泣いた。
- 通常子より親が先に死ぬものだし分かってはいるが、親の老化を知り伯兪杖に泣く。
- 伯兪杖に泣くことはよくあることだが、そこで親孝行をするか否かで差が出る。
これは、親が老いて弱っていくことを実感し、その変化に心を痛める子供の気持ちを象徴しているんだ。