「美疢は悪石に如かず」の意味(出典・語源由来)
【ことわざ】
美疢は悪石に如かず
【読み方】
びちんはあくせきにしかず
【意味】
甘やかすより厳しく鍛えるべきだということ。一時的な愛情による甘やかしは、正しい訓戒に及ばないことのたとえ。
それを人との関わりにも当てはめて、甘やかすだけの関係よりも、時には厳しく叱ったり、本当のことを教えてくれる関係の方が、結局は自分のためになるってわけや。
【出典】
「春秋左氏伝」
【語源由来】
おいしいものは身体を壊すので、苦い薬に及ばないことから。
「美疢は悪石に如かず」の解説
「美疢は悪石に如かず」という言葉は、見た目は良くても害を及ぼすものよりも、苦くても益をもたらすものの方が良いという意味のたとえ話だよ。ここでの「美疢」は、外見が魅力的で味も良いが、体に害を及ぼす食物を指していて、「悪石」は苦くて飲みにくいが、病気を治す効果がある薬のことを言うんだ。
この言葉は、単に食物や薬に限らず、人間関係や教育など、さまざまな場面に当てはめることができるんだよ。例えば、子供に甘いものばかりを与えて満足させることは、一時的には子供を喜ばせるかもしれないけれど、長期的には子供の健康に悪影響を与えることになるね。一方で、時には厳しい言葉をかけたり、厳格なルールを設けたりすることが、子供の成長や人としての形成には必要な「苦い薬」となることがあるんだ。
同じように、友人関係や職場でも、いつも甘い言葉だけをかけるのではなく、時には厳しい意見を述べたり、正直なフィードバックを提供したりすることが、相手の成長や改善につながる「苦い薬」になり得るんだよ。
だから、「美疢は悪石に如かず」という言葉は、一見すると快適や楽しいものよりも、苦い経験や厳しい状況の方が、最終的にはより良い結果や成長につながることを教えてくれているんだ。それは、愛情に基づく厳格な指導や助言が、無責任な甘やかしよりも価値があるということを伝えている言葉なんだね。
「美疢は悪石に如かず」の使い方
「美疢は悪石に如かず」の例文
- 子どもたちに甘いものばかり食べさせることは、彼らの健康に悪影響を及ぼし美疢は悪石に如かずだ。
- 短期間での大きな成功を約束するビジネスモデルに飛びつくのは危険で、美疢は悪石に如かずと言えるだろう。地道な努力が、長期的な成功への鍵である。
- 美疢は悪石に如かずというし、良い指導者は甘言で誘うのではなく厳しい批評で成長を促す。
- 目に入れても痛くないかわいい我が子を甘やかしたいが、美疢は悪石に如かずという言葉に従って厳しく育てる。
- 美疢は悪石に如かず、目先の快適さよりも将来の発展を優先するべきだ。