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「舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没す」の意味(出典)
【ことわざ】
舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没す
【読み方】
ふねはみずにあらざればゆかず、みずふねにいればすなわちぼっす
【意味】
舟は水がなければ進むことができないが、その水が入ると舟は沈む。君臣の関係も人民がいなければ君主は立ちゆかないが、人民が君主の権威をおかすと国は滅びてしまうということ。
臣下がいて初めて君主も機能するけど、臣下がやりすぎたら、君主も困るってわけや。これは、上下関係でも、互いに尊重し合い、適切なバランスを保つことの大切さを教えてくれてるんや。
【出典】
「孔子家語」
「舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没す」の解説
「舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没す」ということわざは、必要なものが過ぎれば害となるということを示しているんだ。この言葉は、船が水上を進むためには水が必要だけど、水が船内に入り込むと沈んでしまうという事実から来ているよ。
孔子はこの言葉を使って、君主と臣下の関係を説明しているんだ。つまり、君主は臣下が支えているから統治が成り立つけれど、もし臣下が君主の権威を犯すような行動を取れば、それが原因で君主は滅びる可能性があると教えているんだね。船と水の関係のように、臣下は君主にとって不可欠だけれど、その力が過ぎれば逆に君主を脅かすことにもなるんだ。
このことわざは、バランスがとても大切であることを示しているよ。君主は臣下の支持を必要とするが、臣下の力が過大になりすぎると、それが君主の立場を危うくする。だから、リーダーと支持者の間の適切なバランスが保たれることが、安定した統治には不可欠なんだね。
「舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没す」の使い方
「舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没す」の例文
- 社長は部下の力なしには会社を運営できないが、もし部下が過度に力を持ちすぎると、その影響力によって組織の秩序が乱れる可能性がある。まさに舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没すのようだ。
- 教育においても、舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没すの教えが適用される。生徒には自由が必要だが、それが行き過ぎると教室の秩序が保てなくなる。
- 会議では意見の交換が必要不可欠だが、舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没すのように、あまりにも多くの意見が出すぎて結論が出ないことがある。
- 新製品の開発において顧客のフィードバックは貴重だが、舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没すのように、過度に顧客の要望に応えてしまうと、本来のプロダクトのビジョンを見失ってしまう。
- 政治家は民意を尊重し、それに基づいて行動する必要があるが、民意が政策を左右しすぎると、舟は水に非ざれば行かず、水舟に入れば則ち没すという状況に陥ることもある。
君主は臣下が支えなければ立ち行かないが、臣下が君主の権威を侵すと、君主はその力を失ってしまうという意味だよ。